プロ野球事件簿 by アトムフライヤー 連載リスト

    ● 連載をはじめるにあたっての方針


     読者のみなさま、はじめまして。アトムフライヤーです。まずこの連載を始めるにあたって、私の方からみなさまに申し上げておきたいことがございますので、ぜひ目を通していただけると幸いです。


    1.「罪は憎めど人は憎まず。」


     事件を書くとどうしても個人の名が出ます。別に球団(例えば巨人)などいくらたたいてもかまわないとおもいますが、個人名、特に球界から身を引いた人の個人名をさらすことが好ましいことだとは思えません。


     たとえばアンチ巨人のHPでは平気で事件を起こした選手の名を書いていますが、書かれた選手やその家族がどのくらいいやな気持ちになっているかを、きちんと考えるべきなのではないでしょうか。
     きれいごとを言っていると言われかねませんが、なぜ私がこんなことを書いたのかというと、「柳川事件」で有名な柳川福三選手の話を、本で読んだからです。


     柳川さんの中日ドラゴンズ入団は、ご存じのようにプロ・社会人の完全な断絶を起こしました。世間を騒がせたという点では江川事件にまったく及びませんが、プロ野球選手がプロの世界をやめたあと、社会人野球に復帰することを不可能にしたという実害においては、江川事件の比ではありません。

     プロを引退するとき、社会人や急に復帰できないことにつき、選手のみなさんの口からは必ず、柳川さんの名が出ていました。また、プロ・アマ統一の話のときも常に出てきていました。
     柳川さんは巨人の選手ではなかったので、一般的な知名度はなかったようですが、柳川さん自身は引退後、アルバムから中日時代の写真をすべてはずし、知人に関取がいたのを利用して、新しく知り合った人には、自分は元相撲取りだった、と関取との写真を見せて、過去を隠していたという逸話も残っています。また、自分の子供にも本当のことは言わなかったということで、柳川さんの心の痛みは相当のものだったと考えられます。
     柳川さんは、五七才という若さで白血病で亡くなりました。そして私にとってそのことは、事件をネタにされて傷ついた柳川さんが、そのことで寿命を縮めたように見えるのです。


     2005年現在、プロから社会人への復帰は、部分的にですが、認められるようにはなりました。しかし、この事件で傷ついた柳川さんはもうすでに、帰らぬ人となってしまっています。


     そこで話は巨人の選手のみなさんや、事件を起こした選手のみなさんに対する私のスタンスの件に戻しますが、たとえばアンチ巨人の方々の間では、

    「政治家の不正が告発されているのだから、同じ公人たるプロ野球選手として、不祥事を起こした選手を批判するのは当然だ。」

     ということがよく言われております。しかしながら私にはその言い分が、当人の主張を聞かずに一方的に非難する例が多く見受けられることから、たとえば死ぬまでいろいろと非難され続けた別所さんや30年近く経過しても言われ続けている江川さんなどの例にもあるとおり、彼らを非難する人たちが、単に事件をネタに悪口を言ってうさばらしをしているようにしか見えないのです。
     従いまして、私としては、題材として取り上げる事件に関して、なるべく個人名は出さないようにしたいとは思っていますが、あまりにも名前が出てこないとよくわからない記述になってしまうので、メールマガジンの特性を考慮し、最小限にこれを留めておきたいと思っています。もちろん、手がかりは書いておきますので、興味のある方はご自分で調べていただければ、とも考えております。


    2.事件を書くにあたっては、特定球団や個人を攻撃しない。


     アンチ巨人のみなさんが文章を書くときに好んで使用する手法に、巨人の不祥事だけを一方的に書き、他の要因や時代背景を書かない、というのがあります。そしてこのことについて私が彼らに文句を言うと、彼らは、「他のことを書くと焦点がぼける。一番悪い巨人を批判すれば他球団の悪事も浮かびあがるから必要ない。」と主張します。
     しかし、このやり方で他球団の悪事が世間に知られることはありません。なぜなら、「他のことを書くと焦点がぼける」=「巨人だけが悪く見えないと巨人ファンを攻撃するのに都合が悪い」ということに、どうしてもなってしまいがちになるからです。
     ですが、こういうやり方をただ繰り返しているだけですと、アンチ巨人のみなさんが「やはり巨人は悪い」と言って巨人ファンを攻撃する一方、巨人ファンのみなさんは、そんなのウソだと言って反論することで、ここから無意味な水掛け論の応酬が始まってしまい、無駄なトラブルが山のように発生します。実際私がネットサーフィンしていろいろなHPを見たところ、あちこちでこうしたつまらないトラブルが見られました。そして、当然のことながら、こういった無駄な感情的水掛け論やトラブルが、プロ野球の健全な発展に寄与するわけがありません。


     かっこいいことを言うつもりはさらさらありませんが、無用な摩擦をさけるため、また、問題点が何でそれが後にどういう影響をあたえたかということを明らかにして無駄な論争を避けるため、これらについてはなるべく正確に書こうと思います。例えばスタルヒンの入団経緯がのちの高橋由伸入団につながるなどという、ピントのずれた記事を書こうとは思っていません。


    3.記事は初めから偏った情報で書いている。


     こう書くと誤解されそうですが、記事はしょせん文献調査のみで、しかも、私の文章の基本は、夕刊フジ、日刊ゲンダイ、よくて週刊ベースボールですから信憑性については私自身も疑問があります。
    つまり、間違えている可能性があると考えて記事を読めば、自分で調べて新たな発見がある、と言うことです。


     私も、書くときは、極力参考文献を示しますし、週刊誌ネタは、そうだとはっきり書きます。ただ、複数の情報源から情報を得て、それらを相対的に検証しながら、それらを合わせつつ書いていこうと思います。もちろんみなさまからの情報もぜひお待ちしておりますので、反応をいただけることを心待ちにしておりますし、また、私の記事を疑う事からこの連載をお読みいただくのでもまったくかまいません。
     そしてみなさまにこう考えていただければ、他所でもよくありがちな、根拠のない情報を盲信されることもないと思います。


    4.記事を利用して他のHPを攻撃しない。


     当たり前のことですが、編集長をはじめ、このぼーる通信に書いていただいる方々に迷惑がかかります。
     また本メールマガジンの主旨にも反しますので、自分なりに情報を入れて加工し、自己責任でやらせていただきたいと思っております。


     では次回配信、第2週が私の担当になりますので、読者のみなさまも、ぜひ私の提起する事件の問題点について一緒にお考えいただければ幸いです。よろしくお願いします。


    「プロ野球事件簿」 アトムフライヤー 



     

ぼーる通信購読・登録フォーム

  • ●まぐまぐさん
  • 登録メールアドレス:

    解除メールアドレス:

    Powered by まぐまぐ


  • ●melma!さん
  • メルマガ登録・解除
    ぼーる通信 〜Voice From The Dreamfield〜
       
     powered by メルマガスタンドmelma! トップページへ

  • ●めろんぱんさん
  • 『ぼーる通信 〜Voice From The Dreamfield〜』 を購読しませんか?
    めろんぱん E-mail

現連載

過去の連載

リンク