プレイボールとゲームセットの間に by 粟村哲志 連載リスト
●『プレイボールとゲームセットの間に』連載開始にあたって
審判員とは因果な商売だ、と言われます。アウトと言えば攻撃側に恨まれ、セーフと言えば守備側に恨まれる。ストライクと言えばバッターが振り返り、ボールと言えばピッチャーがマウンドを降りてくる。どっちを言っても誰かに恨まれるという意味では、確かに因果な商売かもしれません。
そんな因果な役回りを、どうして好きこのんで引き受けるのかと言われれば、それは「好きだから」としか言いようがないのですが、野球というスポーツに必要不可欠な要素のひとつとしてグラウンドに立ち続けると、いろいろと面白いものが見えてくるのもまた事実です。
球審が「プレイ」を宣告して試合が始まり、「ゲーム」を宣告して終了するまでは、審判員が主宰者としてフィールド内の全責任を持ちます。その中には、快心のジャッジ、痛恨のミスジャッジ、規則解釈上の難しい判断を要求されたジャッジ、面白い抗議、不愉快な抗議、トッププレイヤーの素晴らしいプレイ、少年選手の愉快な迷プレイ...。色んなことがありました。
リトルシニア関東連盟審判員として毎週毎週中学生の試合を裁き続け、機会があれば高校・大学・社会人のオープン戦から草野球の審判まで、1年中あちこちのグラウンドを駆け回る生活の中で経験した様々な事柄を、みなさんにお伝えしようと思います。
【参考】公認野球規則
1.01 野球は、囲いのある競技場で、監督が指揮する九人のプレヤーから成る二つのチームの間で、一人ないし数人の審判員のもとに、本規則に従って行われる競技である。
9.01 審判員の資格と権限
(a) リーグ会長は、一名以上の審判員を指名して、各リーグの選手権試合を主宰させる。
審判員は、本公認規則に基づいて、試合を主宰するとともに、試合中、競技場における規律と秩序とを維持する責にも任ずる。
by 粟村哲志 合い言葉は、決めてある。
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