牧啓夫のヤツ当たり的記録コラム by MAKI

    第6回 「記録から見る投手のタイプ」 その一

    第7回 「記録から見る投手のタイプ」 その二



     第6回 「記録から見る投手のタイプ」 その一


     記録から投手のタイプを見てみるというお題を頂戴しました。
     これから数回に渡ってみていきたいとおもいます。
     いままでもそうだったのですが、あくまで公式記録レベルのデータから、どれだけののことが分かるかというのを基本方針としてやってみたいとおもいます。
     今回は、そのその前ふりです。

     まず、読者の方に質問します。

     「公式記録で最も細かい投手記録が公表されたのはいつでしょうか?」

     まあ、普通に考えれば、現在の方がコンピュータもあるし細かいようにおもいます。実際に、BISと契約してミクロデータ(一球ごとのスコア)の供給を受ければ、お金はかかりますが、細かいデータを知ることはできます。

     では、リーグや連盟から本の形で公表されているデータという意味ではどうでしょうか?
     それは、1960年初頭のわずかな期間、パリーグの年報に載せられています。

     現在のオフィシャルベースボールガイドやレコードブックの記録項目は、

    1.登板
    2.完投
    3.交代完了
    4.当初
    5.完封
    6.無四球試合
    7.補回(延長のこと)
    8.勝利
    9.敗北
    10.引分
    11.セーブ
    12.セーブポイント
    13.勝率
    14.打者
    15.打数
    16.投球回
    17.被安打
    18.被本塁打
    19.犠打
    20.犠飛
    21.四球
    22.故意四球
    23.死球
    24.奪三振
    25.ボーク
    26.暴投
    27.失点
    28.自責点
    29.防御率

     にすぎません。人によっては、これでも細かいと感じられるかもしれませんね。

     今、私の傍らには、1961パリーグ年報のコピーがあります。
     それをみると、まず、勝利と敗北が「完投・先発・救援」の3種類に分割してあります。
    そして、「被本塁打」だけでなく「被二塁打・被三塁打」の項目もあります。
     「奪併殺打」や「盗塁・盗塁刺」の項目もあり、「投手の盗塁阻止率」や興味深いデータを作ることができます。

     コンピュータはおろか、電卓もまともにない時代にこれだけの記録をまとめあげたパリーグ記録部には改めて驚嘆します。
     しかし、この記録の出し方が現在でも継承されていないのはなぜでしょう。
     それについても、今回の連載シリーズでおいおいふれていきたいとおもいます。



     第7回 「記録から見る投手のタイプ」 その二


     今回は、私が作ったサイコロ野球ゲーム「インパクトベースボール」で、投手をどれ位の要素で表しているかを見てください。

    1.投手のきき腕及び投法

    右投げ、左投げ、オーバースロー、サイドスロー等です。

    2.平均投球回数

    1登板あたりの平均投球回数です。

    3.先発した場合の投球回数

    2.と先発した試合での完投率をもとに算定しています。

    4.平均投球間隔

    登板から次の登板までの平均日数です。(中何日というのですね。)

    5.被打率

    安打を打たれる確率です。

    6.被本塁打率

    本塁打を打たれる確率です。

    7.与四球率

    フォアボールを出す確率です。

    8.奪三振率

    三振をとる確率です。

    9.投球ミス率

    ボーク、暴投、死球率の合計です。

    10.奪凡ゴロ率

    平凡なゴロで討ち取る確率です。投手の補殺(主に投手がゴロをとってアウトしたもの)から算定しています。

    11.奪凡内野フライ率

    平凡な内野フライで討ち取る確率です。投手の刺殺(主に投手がフライとるか、一塁に入り送球を受けアウトにしたもの)から算定しています。

    12.投手の守備力

    投手が併殺に関与した数を元に算定しています。この要素は、すべて公式記録から算定可能です。また、この要素の兼ね合いは、投手のキャラクターをよく表しています。

     これらの要素全部がいい投手がいれば、それにこしたことはないのですが、実際にはそうはいきません。
     さて、どういう投手が、先発投手に向いているでしょうか?もしくは、どういう投手が先発投手として成功しているでしょうか?同様にクローザーはどうでしょうか?


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