クールジャイアンツ by 慈恩美

    第6回 「無念仏―敗者の言い訳―」 〜前編〜

    第7回 「無念仏―敗者の言い訳―」 〜後編〜

    第8回 夢の続き

    第9回 浪速系米国人・狼主

    第10回 聖地光臨 その2



     第6回 「無念仏―敗者の言い訳―」 〜前編〜


     この原稿が発表されるころ、浪速節が似合うあのチームのマジックは、いくつになっているのでしょうか?7月のマジック点灯から、一気に優勝が見えてくるところまで来てしまいました。優勝内定90%といったところでしょうか。

     そんなあのチームとは対照的に、7月の声を聞いてから一気に勝てなくなってしまった感のある、愛しの巨人軍。このままでは、Aクラスも怪しい状態です。TVで試合を見ていても、溜め息しか出てきません。今や、救いは木佐貫の奪三振ショーとテンポのいいピッチングくらいになってしまいました。
     そこで、今回は阪神タイガースの優勝内定90%記念、さらには巨人の無念のウサ晴らしを兼ねて、「敗者の言い訳」をやらせて頂きます。因に、タイトルの「無念仏」は、「無念」と、ことわざの「馬の耳に念仏」の「念仏」から取って、私が作った造語で、「だらだらと意味も無く、無念の弁を述べ続ける」という意味で、「むねんぶつ」と読みます。「むねんほとけ」とは読みませんので、悪しからず。

    1.阪神タイガース突然変異の理由

     「ダメ虎」等とバカにされ、18年低迷を続けた阪神タイガース。今や驚異的な勝率で勝ち始めてしまっていますが、その原点は、どこにあったのでしょうか?いろいろ聞かれますが、私は昨年9月24日・甲子園球場で行われた巨人戦にあったと考えています。
     巨人ファンの皆様はご承知かと思いますが、昨年巨人が優勝を決めた日です。2位の中日が敗れて決まったのですが、この試合、巨人は勝ってません。9回に追い付かれ、延長12回にサヨナラ負けを喫しました。

     この試合、とにかく阪神の選手達の気迫は違っていました。「絶対に勝たせたくない!」という強い意志、執念を感じずにいられませんでした。また、星野監督が1年かけて選手達に教えてきたことが、ようやく出てきた試合でもあるように感じました。
     それは、「やればできるのに、どうしてやらないんだ!もっと自信を持ってやれ!」ということだったと思います。この日の試合、読者の皆様にはどう映っているか分かりませんが、私には過去5年間の阪神の試合の中で一番いい試合だったと思います。今年もいい試合はありましたが、あの試合以上のいい試合はさすがにありません。
     阪神は、その経験にプラスして、オフに戦力補強を積極的に行い、「絶対に勝つ!」という姿勢を選手達に見せてシーズンに臨んだ事が、今の結果につながっているのではないでしょうか。

     私は、今年のセ・リーグは巨人以外のチームが優勝する場合、巨人を倒す事が絶対条件だと思っていました(こういうことは、もっと早よ言わなあかんね。今更言っても「遅いわ!ボケ!」やね...)。今年の阪神は、巨人相手に見事な戦い方を見せています。「これでもか!」という位、力の差を見せつけています。この巨人戦の戦いっぷりは、選手達に自信を与え、大いに勇気付けたのではないかと思います。
     どっかの親分みたいですが、今年の阪神は「あっぱれ!」です。悔しいですが、これしか、いいようがありません。

    2.ああ無情なり、我が巨人軍

     昨年の戦いから見て、こんなに低迷するとは誰が想像してたでしょうか?本当に信じられません。私は昨年、今まで行った過度の補強のツケを支払わされる形で低迷するのではないか、と考えていましたが、それが今年になって出てくるとは...という感じです。
     以下、この低迷の原因、来年へ向けての希望の光を、「無念仏」にして闘魂...ではなく、怨念込めてやっていきます。

    2ー1.喝!

     このタイトルをみて、「よしんば」が口癖の野球解説者を思い出さないで下さいね(笑)。
     この項目では、目を充血させ、歯をくいしばりながら敗因をあぶり出したいと思います。

    2ー1ー1.河原純一

     以前、私が緊急版で取り上げた河原純一。その後、復活の目処もなく2軍で調整中(8月10日現在)になるとは、誰が予想していたでしょうか?このまま復活できずに引退してしまうのでしょうか?

     今年、2番手以降のピッチャーだけでなく、河原本人も打たれ、逆転負けを喰らうことが多かった巨人。河原の不調が、リリーフ陣に大きな負担だけでなく、重圧も与えたのは、間違いありません。河原の後、前田、サンタナとクローザーをやっていますが、効果は殆ど見られません。前田は安定感を見せていますが、疲労のせいか、最近打たれることも多くなって来ました。サンタナは、ガッツポーズは「かっちょいい〜」のですが、ピッチングは「...」という感じで、どんどん悲観的になってしまいます。

     それにしても、来年河原はクローザーに戻るのでしょうか?それとも、トレード等で補強するのでしょうか?これをハッキリさせない限り、来年も同じ過ちを繰り返すことになるでしょう。クローザーがしっかりすれば、ゲームプランも立てやすくなり、セットアッパーも安定してくるのではないかと、私は見ています。

     私個人としては、思いきって鴨志田辺りでいっても悪くない、と思う反面、緊急版で取り上げた手前、河原にはなんとか戻って来てほしい、という気持ちもあり複雑です。

    2ー1ー2.ペタジーニ

     松井の抜けた穴を埋めるべくしてジーニを獲得したのは良かったのですが、ヤクルト時代と比べ何か物足りなさを感じているのは、私だけでしょうか?これまた以前取り上げましたが、まだチームに馴染んでいないように見えます。これは、ジーニが打って本当の意味で「勝った」と言える試合が殆ど無いことと関連があるように思えてなりません。後半戦に入って、ジーニが4番を打つことが多くなりましたが、どこかしっくりこないものを感じずにはいられません。清原が4番を打っている方がしっくりくるような気がします。

     原監督が、シーズン当初に「4番は清原でいく」と話した理由は、このしっくりくる感覚―というよりも、チームに血が通う感覚―を大切にして、チームをまとめていきたかったからだろうと見ています。開幕当初、高橋由を4番にして、ファーストをジーニに守らせないで、清原の復帰を待ったのも、こういう背景があるからでしょう。
     清原は本来の状態ではありませんが、試合になればチームの状態やゲームの流れを読みながら奮闘しています。この姿が、チームに活気と勇気を与えているのは、皆様の承知の通りです。

     それでは、ジーニの場合はどうでしょうか?チームに血が通っているように見えるでしょうか?ジーニのプレーする姿は、チームに活気と勇気を与えているでしょうか?
     私は、「否」だと思います。ヤクルト時代にあった存在感や恐さが全く感じられないどころか、清原はおろか控えの選手程も活気と勇気を与えていないように見えます。

     ジーニ加入の一番のアナは、「守備」でしょう。最初ライトで、途中からレフトになりましたが、打球が飛ぶ度にヒヤヒヤして見ています。このジーニの存在は、他の守備陣に多大な影響を与えたようです。代表的なものは、4月の阪神戦で、仁志と元木が接触して2人がケガをしたのも、ライトにジーニがいたから深追いしてあのようになった、と思います。ライトがが今みたいに高橋由なら、2人ともあんな深追いはしないでしょう。 ジーニとは直接関係ありませんが、高橋由は腰を痛め、今ではシーズン当初から守っていたセンターを守れなくなってしまいました。清水は足を痛めただけでなく、ジーニがレフトにまわった関係で、あまり慣れていないセンターをやる羽目になり、バッティングのリズムを崩しているように感じます。
     ジーニがファーストを守れば、細かい練習不足がたたり、ゴールデングラブ賞受賞歴のあるいい守備が見られません。ジーニが外野をやることによって、彼本来の良さだけでなく、昨年敵にスキを見せない戦いをしてきた巨人の良さも消えてしまったように思えてなりません。ジーニの守備位置が動く事によって、守備陣全体にも安定感を欠き、エラーや見えないミスが増えていったように見えます。それも、試合を左右するものが少なくなく、とほほ...であります。

     来年に向けて改めて私が思うのは、「ジーニというボタンの掛け違いを、どう直すのか?」ということです。来年もジーニは巨人でプレイすることになるでしょう。その場合、こういった感じになるのではないでしょうか?

    @慣れるのを待って外野で使い続ける

     ものすごく我慢がいることですが、こうなる確率が一番高いと思います。その場合は、高橋由、清水といった外野手達だけでなく、内野手達との連携も深めていくことも不可欠でしょう。何よりも、チーに血が通う選手になって欲しいところです。
     前にも触れた仁志、元木のケガのようなプレーを避けるためにも、絶対になんとかしてほしいところです。慣れてくればジーニも他の選手もいいリズムを掴んで試合に臨めるのではないでしょうか?

    A清原を押しのけて、ファーストで使う

     DHがあれば、迷わずこのやり方を採っていたでしょう。しかし、セ・リーグはDHがありませんので、ここは思いきってケガで本来の力が出せない清原をベンチに追いやって(もしくはトレード)、ジーニをファーストで使う方がいいのではないか、ということです。
     補強は、本来こういうものではないかと思いますが、どうも巨人のフロントの皆様にはそういう認識が欠けているようです。お金は、もっと有効に使ってほしいものです。

    Bジーニを退団させる

     考えにくいことですが、これも選択肢の一つでしょう。実際、斉藤や鈴木といった若い選手達が力を付け始めているところですし、守備もジーニとは比較にならないくらい安定しています。彼等の存在は、チームの総合力の安定だけでなく、バランスも整えてくれることでしょう。ジーニに安易に頼らず、彼等に思いきって懸けてみる、というのも悪くないと思います。その答えは、今すぐでなくても近い将来、必ず出てくると信じています。

     ジーニでここまでネタを引っ張らなくてはならない理由は、単純に松井の代役を呼んできて、当てがった巨人のフロント陣のビジョンの無さでしょう。ジーニだってロボットではありませんから、環境が変わっても同じような数字を残せるとは限りません。何より、原監督も「松井の代役バッター」としてジーニを認めていても、守備やチームのバランスを考えたら「勘弁してくれよ・・・」というのが本音だったのではないでしょうか?斉藤や鈴木といった若くてイキのいい選手を、もっと積極的に起用して未来志向のチームを築くべく、活路を開きたかったのではないでしょうか?
     ジーニ本人も、今年はあまりにも不本意なシーズンだったことでしょう。人一倍責任を感じていることでしょう。表には出てきませんが、ジーニが巨人の選手として乗り越えなければならない壁は、相当あったのではないかと思います。原監督が春期キャンプ中の取り組む姿勢を高く評価していました(参照:原辰徳オフィシャルサイト・83story・2003年3月14日)が、残念ながらシーズン中いい方向には作用しませんでした。来年以降、その姿勢が生かされることを、巨人ファンとして願わずにいられません。

     この無念仏、貞子の呪いのようにしぶとく怨念深く次回も続きます。



     第7回 「無念仏―敗者の言い訳―」 〜後編〜


     「く〜る〜、き〜っとく〜る〜」ということで、やってきました、今回も。前回同様、無念仏を続けていきます。「く〜る〜」って、も〜ええわ!!

    2ー1ー3.慢心&未成熟

     原監督も、「最大の敵」として心配していた「慢心」(参照:原辰徳オフィシャルサイト・83story・2003年3月14日と2003年3月26日)。無いと思いたいのですが、残念ながらあったようです。

     参考にした原辰徳オフィシャルサイト・83story・2003年3月26日の文章には、篠塚、鹿取両コーチが原監督に注意されたやり取りが書かれていました。思わず流して読んでしまいそうな感じの文章になっていますが、実はこのころから「慢心」は深刻な問題だったのではないでしょうか?

     それにしても、篠塚コーチは、この時きちんと反省したのでしょうか?鹿取コーチは反省していたようですが、原監督が直接注意した選手はどうだったのでしょうか?これまた原辰徳オフィシャルサイト・83story・2003年7月28日の文章を見ると、疑わしい限りです。文調から判断すると、この時注意された選手は、実は3月26日の文章の時と同じで、しかも原監督から言われたことは、「今更なんでオレがこんなことを言わなければならないんだ!」という感じのものではないでしょうか?

     根が深い「慢心」を生み出す元となるのは、実は個々の人間の「未成熟」にもあると思います。この「未成熟」は、今年現場の人たちは「イヤ!」いうほど痛感したのではないでしょうか?それが顕著になって表れた試合は、6月26日の横浜戦です。
     原監督は、この試合で「結果論」としてはいますが、「慢心」だけでなく「油断」も感じたようです(参照:原辰徳オフィシャルサイト・83story・2003年6月25日)。「油断」もそうですが、もしかすると、原監督就任1年目で最良の結果を昨年出したが故の「未成熟」であり、「慢心」だったかも知れません。また、原監督自身も4月2日の横浜戦で、自らが陥った「慢心」を認めていました(参照:原辰徳オフィシャルサイでト・83story・4月5日)。

     原監督自身も、自らを律しながらそれを取り除いていくつもりだったようですが、残念ながら空回りしてしまったようです。それは、本屋で立ち読みした月刊ジャイアンツ9月号に掲載された写真に、試合中、帽子を叩き付けて悔しがる原監督の姿を見て感じました。事実とは違うかも知れませんが、もしそうだとしたら、用具に当たり散らしていた清水のことを怒れません。

     この「慢心&未成熟」は、今後の「83story」で詳しく紹介されるかも知れません。そこで、どんな言葉が出てくるか分かりませんが、これを糧に来年出直してほしいものです。私達ファンも、暖かく見守って行きましょう。

    2ー2.光(太田じゃないからね!)

     実にありきたりなタイトルですが、暗い話題ばかりの今年の巨人の中で、この表現が似合うがんばりを見せてくれた選手もいます。その選手達に感謝の意味でも、また明るく「無念仏」を締めくくります。

    2ー2ー1.木佐貫洋

     今の巨人で、木佐貫がいなかったらと思うとゾッとします。デビュー戦の中日戦でボコボコにやられた時に、誰もが「アイツ大丈夫か?」と思う程でしたが、研究熱心で貪欲なところが、今の木佐貫を形成していったようです。テンポだけでなく、ボールの勢いも、ルーキー時代の上原を彷佛させるようなところ(越えている、という声もあるようですが)もあり、実に見ていて気持ちがいい限りです。
     残念なのは、いいピッチングをしても、勝たせてあげる事ができなかった試合が多かったことです。それでも腐らずに、謙虚に頑張っている姿には、心臓を鷲掴みにされるような思いでTVを見ていました。
     来年もがんばれ!木佐貫!

    2ー2ー2.ラス

     今年のラスの成績は、3勝4敗、防御率4.14(8月10日現在)と平々凡々の成績です。でも、ラスが残していったものは大変大きかったと、私は見ています。

     ラスの日本デビューの中日戦、7回を無失点で5ー0の状態で交代したのですが、後ろのピッチャーが打たれ、勝利は付きませんでした。ラスの後に出て来た河原は無情にもKOされ、河原本人も悔し涙をぽろりと流していました。その河原がベンチへ戻った時、河原の膝にそっと手を置いて、「気にするなよ」と慰めていていたラスの姿をTVで見た時、実に健気に映りました。この時は状況が状況だけに、ラスが不快感をあらわにして、荒れるのではないかと思いましたが、私はその姿を見て、「次はなんとか勝たせてあげたい」と思わずにいられませんでした。

     ラスにもっと「勝たせてあげたい、日本で成功させてあげたい」と思うようになったのは、原辰徳オフィシャルサイト・83story・6月13日の文章を読んでからです。

     そこには、ラスがチームのことを考え、闘志を燃やして試合に臨んでいる姿が描かれていました。危険球退場のあとに翌日のリリーフ登板を直訴した姿には、今の日本人が完全に失なった「大和魂」を感じ、嬉しくなってしまいました。また、外国人のラスが見せた「大和魂」は、巨人の選手・ファンだけでなく、日本人にも何かを訴えているかのようでした。しかし、ラスのこういう姿も、残念ながら今シーズンは反映されませんでした。
     ラスも、木佐貫同様にいいピッチングしても勝たせてあげられなかった試合が多かったことは、本当に悔しい限りです。原監督も、ラスにはキャンプでがっかりさせられたようですが、こういう姿を見せられたら「なんとかして勝たせてあげたい!」と思わずにいられなかったのではないでしょうか?

     ラスは来年、巨人に残るかどうか分かりませんが、今の巨人の選手達に残していったものは大きかったと思うし、これからきっと生きてくるような気がします。

    2ー2ー3.林昌範

     林は6月のデビューから、本当によく頑張っています。しかし、TVを見ていて「いい加減勝たせてやれよ!」と怒りたくなるくらい、かわいそうになってきます。こう思うのは、恐らく私だけではないでしょう。木佐貫、ラス同様、「なんとか勝たせてあげたい」と思わずにいられません。
     巨人のドラフト下位指名の選手(特に高卒の選手)は、選手層の厚さから、なかなか「1軍」という夢・希望を持てなくなってきています。やる気をなくしている選手も多くいたと思います。その中でこの林の頑張りは、こういった選手たちへ夢・希望だけでなく、困難へ立ち向かう勇気も与えてくれたはずです。
     林は、巨人の未来だけでなく、こういった若い選手たちの未来や希望も背負っていることを感じながら、これからも頑張ってほしいです。

    2ー2ー4.原俊介

     原のプロ初ホームランを見た時に、私はどっかの首相のように「感動」してしましました。長い長い下積み生活を、「本当によく耐えたなあ」という「感動」です。その時、原監督が原を迎えた時の顔は、劣勢だった試合の状況を忘れ、わが子を迎えるかのような笑顔でした。今思えば、それは原監督の今年一番の笑顔だったように思います。

     原のその後の代打での活躍は、チームを大いに活気づけたような気がします。8月10日現在、ホームラン3本ですが、その3本はジーニが打ったホームランの数々よりも鮮明に残るものばかりのように感じます。また、試合に出ていなくても、ひた向きな頑張りは、暗くなりがちなチームを明るくして救ってくれたのではないでしょうか?
     原は、これからもひた向きな頑張りを忘れないでほしいです。

    2ー2ー5.川相昌弘

     8月20日の犠打世界記録達成、おめでとう!
     TVの川相本人と奥さんの姿につられて、私ももらい泣きしました。長い年月かけて積み重ねて来たこの財産は、「地道にコツコツやって行くことの大切さ・重要性」と、「流した汗は嘘をつかない」を、私達に教えてくれました。
     グラウンドに家族一緒に出て写真を撮られている姿をTVで見た時、’94シーズンの終盤、ヒーローインタビューで子供の名前を呼んで、「パパ頑張ったよ!」と叫んだ姿を思い出しました。その当時と比べたら、子供も大きくなっただけでなく、更に増えたようです。
     私は子供達の姿を見て、ふと考えました。「川相家の子供達の夏休みはどういうものだったのだろう?」と。多分、よその家のことを出して「どっか連れてって〜」なんて駄々をこねただろうなあ、と思います。パパは試合で、夏休みは殆ど家にいないでしょうし、ママも毎年のように育児に追われて大変だったことでしょう。子供たちも、学校の出校日や夏休み明けに、級友の自慢話を聞かされて親のことを少し恨んだりしたかもしれません。川相家のパパもママも、それを分かっていながら、なんとかしてあげられる事ができなくて、申し訳なく思っていたかもしれません。
     でも、今年の川相家の子供達の夏休みは違ったようです。パパの世界記録がかかっていたので、東京ドームに通うことができました。その世界記録のあと、パパにプレゼントを手渡すことができました。試合後、みんなに祝福され、家族写真も一杯撮ってもらえました。これで、夏休み明けに級友達に自慢できますね、川相家の子供達!
     この川相の姿が、チームをいい方向へ導いてくれたようです。世界記録達成時のベンチの様子は、今年初めてまとまっていたように見えました。二岡の台頭でベンチに追われはじめたとき、引退も考えたことでしょう。それでも腐らず、きちんと自分の役割を果たす姿は、若い選手達だけでなく、私達のお手本になりました。

     川相は、まだまだ老け込むトシではありません。このまま頑張って若い選手に喝を入れて欲しいと願っています。

     無茶苦茶長くなってしまいましたが、私の「無念仏」気長に読んで頂けましたでしょうか?今年は阪神に簡単に勝たせることなく、そして来年は絶対に日本一になってほしいものです。
     一年後できれば「勝者の雄叫び」を見せつけるかの如くやりたいと願う、今日このごろであります。



     第8回 夢の続き


     まずは、2か月連続の「貞子の呪い」企画、如何だったでしょうか?実は、9月上旬にアメリカへ行く予定を立てていたので、あのような形でやらせて頂きました。
     やはり1か月も間隔が空くと、状況が変わるので的外れっぽいものも出て来てしまいました。この点につきまして、大変ご迷惑をおかけしましたことを、読者の皆様並びに、我らがMB編集長にお詫び申し上げます。まさかとは思いますが、死んだ方いませんよね(おったら、この原稿見るか!)?
     帰国後、MB編集長と打ち合わせした結果、アメリカで見た事を徒然なるままに書かせて頂こう、と思っていたのですが、まさかまさかの原監督の辞任で、路線変更を余儀なくされました。このコーナーでエールを送った原監督が、「辞任」ということで、辰徳世代の私が無視する訳にいきません。また、原監督のもとジャイアンツ愛を育んできたG党の為にも、やらせて頂きたいと思います。

    1.原監督辞任について

     徳光さんではありませんが、「悔しい」。この一語に尽きます。

     様々な情報ツールで、今なお事の推移を見守っていますが、未だに信じられません。
     私の場合は、原監督の去就が騒がれ始めた時にアメリカにいて、帰国時浦島太郎状態だったので、余計信じられないかもしれません。
     私は、騒動があった時でも、「そんなバカな」と楽観視していましたが、辞任の記者会見をTVで見て、愕然と現実を受け止めました。それと同時に、辞任までの過程を紹介するVTRを見れば見る程、巨人軍のフロントに対する怒りが込み上げて来ました。「なんでだろう〜」のギャグどころではなく、「ふざけるな!バカヤロー!」です。初期長嶋監督時代、長嶋監督が解任された翌日に、徳光さんが朝のTVの生放送で、辞表覚悟で当時の巨人軍のフロント陣を糾弾していた気持ちが本当に良く分かりました。今の私も、その気持ちです。
     不思議な事に、原監督辞任会見には次期監督の堀内恒夫さんも同席し、来年の構想をしゃべっていました。そこには、大切な試合もまだ残っているにも拘らず、選手をはじめ現場の方々への配慮は全くありませんでした。巨人軍の今のフロントの現場への認識は、その程度だという事でしょう。
     因みに、その辞任会見後、原監督のグッズは大分売れているようです(私も思わず買ってしまいました。お金無いのに...)。恐らく、フロントの皆様方には、これも計算通りなのでしょう。

     とはいえ、来年へ向けての戦いは始まっています。堀内新監督には、王さんと長嶋さんの下で培ってきたものを出して、栄光を掴んで欲しいと思います。私の個人的な要望ですが、現役時代に王さんを困らせた程の「悪太郎」ぶりを発揮して、名将ビリー・マーチンのように、物わかりの悪いおじ様方へ文句をガンガン言ってやって欲しいと願っています。

     以下、お手紙形式で書き記します。

    2.巨人軍フロントのだんご3兄弟爺様へ

     あの配慮無き原監督辞任&主要コーチの総辞職。あなた方のその手腕は、歴代の独裁者達を彷佛させます。すばらしい!感動した!
     ああいう形で、終身名誉監・長嶋さんが伝承した「熱い思い」をぶち壊し、人の心を踏みにじる品行方正の良さは、まさに管理職、上司の鏡です。大変勉強になりました!私も、人の上に立つお仕事をさせて頂く場合、このやり方をお手本に頑張らせて頂きます。
     特にナベさん。あなたのワイルドでお上品な言行は、世の皆様方の心を本当に癒してくれます。日本の野球ファンは、みんなあなたの事をボブ・サップのようなファイティングポーズをとりながら尊敬しています。いつかどなたかが、御礼参りにいらっしゃるのではないでしょうか?その時は、「来るものは拒まず」Welcome万歳の気持ちで、おもてなし下さい。
     蛇足ですが、あなたをヤンキースのオーナーと同じように見ている方もいらっしゃるのですが、ヤンキースのオーナーはあなたほどお上品ではないようです。あの方は、必要最低限の礼儀やマナーは心得ておられるようです。また、あなたのように自分の価値観を一方的に押し付けて、ルールをねじ曲げることもしないようです。
     野球が好きな方々が(巨人軍が好きなら巨人軍が)、球団を運営していればこういう間抜けな事態は起きないはずですが、リーマン社会にどっぷり浸かったあなた方なら、仕方ありませんねえ...あなた方の、金満主義的戦力補強&傲慢丸出し球団運営姿勢の評価は、後の世代の方々がきっちりして下さる事でしょう。楽しみですねえ、お・じ・い・さ・ま・が・た!

    3.去り行く原監督へ

     悔しい。但々、悔しいです。
     私が、若き日の徳光さんと同じ立場だったら、やっぱり同じようにTVで糾弾していました。これから監督としてのキャリアを積み重ね、「常勝軍団を創りあげる」という夢の途中での辞任は、無念の極みでしょう。でも、「辞表を提出した」と聞いた時、責任感の強い原監督らしい、と思いました。
     現役引退から8年。原監督は著書「選手達を動かした勇気の手紙」の最後で、当時を振り返っていましたが、それを読んでて辛くなりました。そこには、「今だからこそ言える」原辰徳の心の葛藤が書かれていました。
     慕っていた長嶋さんを、メディアを使って非難しようとした事とか、チームの事を考えてバントをしたら客席だけでなく、ベンチからも冷ややかな視線を向けられた事等々。その時の経験は今思えば、監督になって生きてきましたね。でも、私は「なんでファンとして、こういう原辰徳の気持ちを理解する事が出来なかったのだろう」という自責の念が込み上げてきて、うるうるしてました。

     その著書「選手達を動かした勇気の手紙」が出て約半年。原監督は何の因果か辞任する事になりましたが、私は記者会見を見ながら、読後と同じ感情を抱きました。このコーナーで、原監督の現役時代に夢、希望、勇気といったものを与えてもらった恩返しをして、少しでも還元したかったのですが、残念ながら中途半端に終わりそうです。

     10月7日の最後の試合で、星野監督と抱擁を交わしているとき、現役引退時に長嶋さんと抱擁を交わしている姿を思いだし、またもうるうるしてしまいました。甲子園球場の阪神ファンを唸らせ、「辰徳」コールをさせた、あの挨拶は忘れません。
     星野監督は、自分から見て「若造」であるはずの原監督を「ライバル」として認めるコメントを残していただけでなく、一切を沈黙している原監督の代弁者として巨人軍のフロントを批判しています。その星野監督の姿は、可愛いわが子をかばう父親のように見え、頼もしく、かっこ良く見えました。シーズン中、巨人に敵対心剥き出しで向かっていく星野監督の姿は憎々しい限りですが、辰徳ファンとして、星野監督には「ありがとう」と素直に言わなければなりません。

     辞任会見で、ありとあらゆる感情と不満を押し殺し、チワワの「く〜ちゃん」のような涙目で挨拶・質疑応答した原監督の姿には、今時の日本人が失った「武士道」を見た気がしました。それにしても、「切腹」のような形で、責任を全うしようと決断したのは、選手達やコーチ達からたくさんもらった「勇気」があったからなのでしょうか?だとしたら、「監督・原辰徳」の終焉としては、あまりにも悲しすぎます。

     今後は、どうか著書の文中にもあるように「野球博士」を目指して、アメリカをはじめ、韓国、台湾といった海外へも積極的に訪問してほしいと思います。どうか、「特別顧問」という得体の知れない曖昧な立場に惑わされて「読売バカ一代」にならないよう切に願います。

     原監督は、「夢の続きを胸にしっかりしまいこんで、これからもプロ野球ファンの為に、精進していきたいと思っています(参照:原辰徳オフィシャルサイト・Today's Tatsunori・10月7日)」と言っています。私としては原監督には、アメリカでマイナーからコーチ、監督としてキャリアを積み重ねて、日本プロ野球経験者のケン・モッカ、ジム・トレーシーのようにメジャーの監督になって欲しい、と思っています。
     監督の言う「夢の続き」は、恐らく前述したような「常勝軍団を創り上げる」事だと思います。しかし、原監督も現役時代、当時「高嶺の花」だったとはいえ、メジャーリーグに憧れていたはずです。選手と同様の夢を見る事は出来ませんが、今でもメジャーリーグヘの憧れはあるのではないでしょうか?

     原監督が、現役時代からずっと「夢」だけでなく、「勇気」の大切さ・尊さをプレーする姿で我々ファンに教えてくれました。原監督のその姿があったからこそ、あとの世代の選手達がメジャーリーグへ臆する事なく目指せたのではないでしょうか?そして、今度は原監督自信が選手達から「勇気」を分けてもらって、メジャーリーグの「夢」をしっかり追いかけてほしいのです。また、原監督がメジャーリーグで「指導者」の道を開けば、引退後の進路に悩む「燃え尽き症候群」の選手達のためにも、一つの道しるべになり「勇気」を与える事ができると思います。
     ですから、原監督自信が今「胸にしまいこむ」ものは、「夢」ではなくて、「巨人軍への義理と報恩感謝の精神」だと思います。義理堅い原監督の事、簡単に決断できないでしょうし、巨人軍を敵にまわすような事も出来ないでしょう。でも、アメリカで培った経験は、次回の巨人監督就任時に絶対生きてくるはずです。今は休息、充電の時かもしれませんが、逆に今なら違う意味で、メジャーリーグを目指すチャンスでもあると思います。
     アメリカで、日本シリーズ制覇以上の感動を味わってみませんか?今年のアメリカン・リーグのチャンピオンシップで、日本でも見せた事が無い喜びと興奮を爆発させた松井秀喜と同じものを味わってみたいと思いませんか?原監督、如何ですか?

     もし、原監督が「夢の続き」の冒険を始めるなら、微力ながら私も応援できれば、と思っています。私だけでなく、辰徳世代のファンや、原監督の下「ジャイアンツ愛」を育んできたG党も、みんな原監督の「夢の続き」の冒険を応援したいと思っているはずです。原監督、「夢の続き」の冒険を我々ファンと共に始めませんか?

     その冒険が終わりを告げようとする時、原監督自身にとっても、日本の野球界にとっても、明るいものが残せるはずです。それを信じて、今こそ「勇気」を持って挑戦しませんか、原監督!



     第9回 浪速系米国人・狼主


    (お断り)

     先月まで2回連続でやらせて頂いた「スポーツ道中膝栗毛」シリーズは、今回はお休みさせて頂きます。再開まで今しばらくお待ち下さい。あいすまん事にて候。

     そこで、今回は2004年シーズン開幕ということで、久々の巨人ネタで行かせて頂きます(でも、ここは巨人ネタがメインのコーナーやろ?何言うてんねん)。

     今年も、プロ野球が開幕しました。今のところ(4月18日終了現在)、愛しの巨人軍は可もなく、不可もなく、といったところでしょうか。原辰徳前監督辞任後の「仁義無き戦力補強」で、あちこちで「史上最強打線」といわれるようになった攻撃陣。種々のバランスを考えたら、「ええ加減にせえ!もっと有効に金遣え〜や!」といいたくなるのですが、しばらく試合を見続けていくうちに、ある選手に惹かれるようになりました。

     その選手は、今年から加入した、タフィ・ローズです(蛇足ですが、ウチの編集長は、髪型から「うりやん」と呼んでいます)。最初は極度の緊張でガチガチでしたが、今は力が抜けて本来の力を出せるようになってきました。
     そのローズ、アメリカ出身で黒人。左投左打で巨人ではセンターを守り、打撃は豪快。そして覚えた日本語を使って愛嬌を振りまく姿。80年代後半を知る巨人ファンなら、きっとあの方とダブって見えてるのではないでしょうか?
     そう、巨人軍史上最高の助っ人外国人選手と言われている、あのウォーレン・クロマティ(以下、親しみを込めて「クロウさん」と書きます)を思い出しませんか?最近、ローズの姿をかつてのクロウさんを思い出しながら見ています。

     ところで、私はこの二人にものすごく親近感を感じていますが、皆さんは如何でしょうか?では、どこに親近感を感じるのでしょうか?二人が、単に日本語を使って、愛嬌を振りまくからでしょうか?私はそうではないと思っています。彼らがそれぞれ、日本のプロ野球に取り組む姿勢が真摯なのと、巨人のほかの選手にはない明るさを持っていて、周りを明るくしてくれるのとがあるからではないでしょうか?

     まず、「取り組む姿勢」といって二人で際立つのは、日本語の習得状況です。
     長谷川滋利の著書「適者生存」ではありませんが、日本で成功するために、二人は相当日本語を勉強したと思います。特に、ローズの日本語は、日本語のインタビューに通訳を介さず答えていく姿を見ている(英語で返す時もありますが)と、見事そのものです。野球の練習だけでも大変な中で、どうやって覚えたのだろうと思いますが、その努力が今日までのの二人を形成していったように思います。

     日本語もそうですが、日本で野球をやっていく上で乗り越えなければならない壁は半端ではなかったと思います。日本に来た外国人選手の中には、球場の施設や生活環境に嫌気が差して、わずかな滞在で帰国していった選手もいます。その中で、この二人は巨人だけでなく、日本の野球界にとっても貴重な存在だといえます。
     巨人は、チームの「巨人軍は常に紳士たれ」の言葉に象徴される特性上、真面目な選手が多く、二人のような選手が出にくいように感じます。そのせいか、クロウさんは当時の、ローズは今のチームで明るい雰囲気を作っているように見えます(ローズはこれからかな?)。その姿は、「野球はもっと楽しいものだよ。さあ、楽しもう!」というメッセージを周りに送っているようで、見ているこちらも愉快になります。
     かつて、ナゴヤ球場へ巨人戦を見に行ったとき、原辰徳のホームランに胸踊らせながら、クロウさんと一緒にバンザイをして喜んでいた日々を思い出しました。今は、ローズの「絶対勝つぞ〜!」の雄叫びに、その日々を懐かしみながら巨人戦を見ています。

     最後に、G党として正直に告白しますと、今回の補強については、怒りを覚えています。完全に、守備力やチーム全体のバランスを無視し、今でも十分頑張れる選手を腐らせるこの補強は、「史上最強」というより「組織崩壊」を見ているような感覚になります。
     その補強の目玉選手の一人、ローズも戦力バランスから見れば「不要」の選手だと思って見ていました。昨年、近鉄との契約交渉が不調な中で、巨人入りの声が出て来た時は、「またかよ〜」と呆れてしまいました。
     しかし今現在、ローズが活躍している姿を見て、巨人に来てくれて「よかった〜」と思います。かつてのクロウさん同様、どこか真面目なところがあって暗くなりそうな巨人を、明るく引っ張って欲しいと願っています。

     おまけ
     それにしてもローズの日本語、大阪に長く滞在してたとはいえ、大阪なまりの日本語だけど、誰が教えたんだろ?
     これに対して、SHINJOは、メッツで変な日本語を流行らせて(いたらしい)帰国したけど、これもローズとは違う意味ですごいな。

     「ローズ、SHINJO、お前ら男だ!」←なんでやねん!



     第10回 聖地光臨 その2


     (初めに)

     今年始めに緊急版で書いた中邑真輔ですが、5月22日に開催されたK-1 ROMANEXでイグナショフに雪辱しました。中邑は、ケガ、ベルトの返上、ボブ・サップとのタイトルマッチ敗戦、と今年上半期だけで「波瀾万丈」の日々が続いていましたが、このイグナショフ戦での勝利で、また大きく飛躍しそうな予感がします。

     「プロレスラーは強いんです!」
     これは中邑がよく口にする言葉ですが、今度は、ボブ・サップに勝利してから聞きたいですね。

     以下、本題に入ります。

     4月23日に、昨年に続きまた甲子園球場に行ってきました。今回も、入手困難な巨人戦を、気合いでGETした大阪の知人に感謝です。
     前回は、球場の雰囲気と以外に大人しいタイガースファンに驚き、その様子をありのまま書かせて頂きましたが、今回はもう少し踏み込んで書きたいと思います。

     今年の甲子園球場の巨人戦の最大の特徴は、「全席指定」で、前売りで完売の場合、当日券が発売されない、という事です。ちなみに昨年までは、外野後方のレフトスタンドは自由席で、ここは当日販売されていました。
     これは、2002年の巨人の応援団に続き、昨年阪神の応援団にも不祥事が発覚したために、このような形になったようです。それにしても「球場長に暴力」って、何考えてんでしょうか?

     その「全席指定」効果は、見た限りてきめんだったようです。試合は巨人が大勝しましたが、試合後に起こっていたグランドへのモノ投げ(お恥ずかしながら、かつての私もそうでした)は全く起こらず、実に静かな中、球場をあとにしました。昨年、自分が思わず評価した阪神ファンが、不祥事を受けてまた変わったかな、という感じがしましたが、本心は「全国に恥を晒してバツが悪い」という気持ちが強かったかもしれません。
     あと、個人的な要望としては、太鼓やラッパを使わない応援方法を模索して自分達だけでなく、選手に本当の意味で「阪神ファンが一番や!」と言ってもらえる声援を送って欲しいと思います。
    (注:↑は、どこの応援団にも言える事です。決して阪神だけではありません!)

     以下、甲子園球場に「モノ申す」という「たぢさふろん」になります。昨年逮捕された連中みたいに、暴力は振るわんけん、球場長さん、聞いて下さいね。
     球場が古い故、仕方がない事かもしれませんが、様々な「不便」が出てきます。ちょっと見直してくれると、ありがたいです。

    1.トイレの増設

     イニングの合間にトイレに行ってきたのですが、人気のあるラーメン屋のように、行列が出来ていました。これを待っていては、試合を見逃してしまうので、用をたっせずスタンドへ帰ってしまいました。
     建物の構造上、難しいかもしれませんが、トイレを増設して頂けると非常に助かります。

    2.帰りの混雑

     「球場へは阪神電車がイチバンや!」ということで、阪神電鉄で行くのが一番便利な甲子園球場。とはいえ、帰りは混んでてなかなか駅に到着出来ません。
     駅のホームが狭く、入れる人員が限られているのと、駅前の横断歩道での待ち時間がミョ〜に長い(これもホームが狭いのが原因で、ここで人をコントロールしないと球場周辺の道路に人が溢れ、渋滞の原因になる)のが混雑の要因です。JRの甲子園口駅までのシャトルバスの運行、駅のホームの面積拡大等、考慮頂ければ幸いです。特に、シャトルバスの運行は、えぇアイデアやと思うけどなあ・・・。出来へん理由、あるんやろか(地元の方、知ってたら教えて下さい)?

     以上!「たぢさふろん」でした。

    最後に

     甲子園行った次の日に大阪ドームへ行ってきましたが、どこか人工的で寒々とした空間でした。これに対して、甲子園球場は「温もり」を感じる不思議な空間です。この「温もり」は、私達を包み込み、癒してくれます。
     今後、不祥事を起こすような応援団は出てこないと思いますが、甲子園球場を訪れる阪神ファンの皆様、どうかあの空間を大切に守って頂きたい、と願っています。


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