俺が好きなスポーツ by ダイスポ 日本スポーツ物語編

     スポーツ総合講座 〜その3〜 アメリカン・フットボールのビッグゲーム情報


     ■連載第19回 第9回 アメリカン・フットボールへの誘い

    「フットボールのビッグゲーム情報 〜その1〜」 

     ■連載第21回 第10回 アメリカン・フットボールへの誘い

    「フットボールのビッグゲーム情報 〜その2〜」 



     連載第19回 第9回 アメリカン・フットボールへの誘い

    「フットボールのビッグゲーム情報 〜その1〜」 


     スポーツを愛する皆様、ご機嫌いかがでしょうか。
     アメリカン・フットボールの魅力について語るこのシリーズ、今回は前回に続き、いま実際に行われている日米のフットボールシーズンについてご説明していきたいと思います。


     まず日本のフットボールですが、12月15日に行われた「甲子園ボウル」の勝者、立命館大学パンサーズと社会人王者のシーガルズが、1月3日に日本選手権「ライスボウル」で対戦。立命館大学が36-13という、やや意外な大差でシーガルズを破り、初の日本一に輝きました。これで昨年の関西学院大学に続き、2年連続で学生チームが社会人を破るという結果になりました。


     その前の甲子園ボウルでは早大を撃破、そしてこのライスボウルでも社会人チームを圧倒と、パンサーズの向かうところまさに敵なしの感があります。しかし甲子園ではエースQBの高田をけがで欠くなど、決して万全の布陣で戦ってきたわけではありませんでした。それだけに、なおさらこの優勝が偉大なことだと言えるわけです。


     次に、アメリカのカレッジフットボールの全米王座決定戦「フィエスタボウル」。こちらも現地時間の3日にアリゾナ州のテンピにて行われ、ビッグテンカンファレンス所属のオハイオ州立大学バックアイズが、ビッグイーストカンファレンス所属のマイアミ大学ハリケーンズを延長戦の末、31-24で破りました。


     マイアミ大学は、この試合までなんと34連勝中でした。毎年有力選手の卒業や、NFL入り等でチームを離れるため戦力ダウンを余儀なくされるアメリカの大学フットボールにおいて、マイアミのこの強さはまさに「歴史的」ともいえるものでした。QBケン・ドーシーを中心としたハリケーンズの攻撃が、オハイオ州立大学を亜圧倒して2年連続の全米チャンピオンに輝く・・・誰もがそんな姿を予想していただけに、この結末は衝撃的でした。逆にオハイオ州立大学は試合中、何度も絶体絶命の場面に追い込まれました。しかしそこから驚異的な粘りを見せ、勝ち越しのタッチダウンを挙げて勝利をものにしました。バックアイズはシーズン中も苦戦しながら接戦をものする展開が多く、終わってみれば14戦全勝で全米王座に輝きました。ジム・トレッセル監督の手腕は素晴らしいものであると言えるでしょう。オハイオ州立大学が全米王座に輝いたのは、実に34年ぶりのことです。


     そしてお待たせのNFLプレーオフです。今年は以下の12チームがプレーオフに駒を薦めました。


     <NFC>
     ●フィラデルフィア・イーグルス
     ●タンパベイ・バッカニアーズ
     ●グリーンベイ・パッカーズ
     ●サンフランシスコ・フォーティナイナーズ
     ●ニューヨーク・ジャイアンツ
     ●アトランタ・ファルコンズ


     <AFC>
     ●オークランド・レイダーズ
     ●テネシー・タイタンズ
     ●ピッツバーグ・スティーラーズ
     ●ニューヨーク・ジェッツ
     ●インディアナポリス・コルツ
     ●クリーブランド・ブラウンズ


     この出場12チームのうち、既にパッカーズ、ジャイアンツ、ブラウンズそしてコルツの4チームが敗れ、スーパーボウルへの道を絶たれています。ジャイアンツとフォーティナイナーズの試合では、フォーティナイナーズが24点差のビハインドをひっくり返すという史上稀に見る大逆転劇を演じましたが、同時に試合終了直前に発生した審判のミスジャッジが無ければジャイアンツが再逆転していた可能性もあり、大変後味の悪い結末となってしまいました。誤審問題はどのスポーツでも起こっていますが、このようなビッグマッチではできるだけ起こって欲しくありませんね。


     さて今週末(現地1月11、12日)には、いよいよ8強が激突します。今季のMVPに輝いたリッチ・ギャノンをはじめ経験豊富なベテランが揃ったレイダースや、負傷の癒えたエースQB、ドノバン・マクナブ率いるイーグルス等スーパーボウル出場が有力視されるチームが満を持して登場します。皆さんも是非お見逃し無く!


     いかがでしたか?連載を毎回お読みいただければ、皆さんもアメリカン・フットボールの魅力にきっと取り付かれていることでしょう。次回をどうぞお楽しみに!



     連載第21回  第10回 アメリカン・フットボールへの誘い

    「フットボールのビッグゲーム情報 〜その2〜」


     スポーツを愛する皆様、ご機嫌いかがでしょうか。
     アメリカン・フットボールの魅力について語るこのシリーズ、今回は前回に続き、クライマックスを迎えた今季のフットボールシーズン、特にNFLプレーオフについてお話していきたいと思います。全てのフットボール選手の憧れ「スーパーボウル」を制覇したのは、果たしてどのチームだったのでしょうか?


     まず、今年のプレーオフにコマを進めた12チームをおさらいしておきましょう。


     <NFC>
     ●フィラデルフィア・イーグルス
     ●タンパベイ・バッカニアーズ
     ●グリーンベイ・パッカーズ
     ●サンフランシスコ・フォーティナイナーズ
     ●ニューヨーク・ジャイアンツ
     ●アトランタ・ファルコンズ


     <AFC>
     ●オークランド・レイダーズ
     ●テネシー・タイタンズ
     ●ピッツバーグ・スティーラーズ
     ●ニューヨーク・ジェッツ
     ●インディアナポリス・コルツ
     ●クリーブランド・ブラウンズ


     この中からNFCカンファレンス決勝に進んだのはイーグルスとバッカニアーズ。そしてAFCファイナルに進出したのが、レイダースとタイタンズでした。


     まずNFC。イーグルスはQBドノバン・マクナブがけがから復帰し、スーパーボウル出場に向けて気合充分。昨年もカンファレンス決勝に進みながら、ラムズに敗れ夢舞台への出場を阻まれました。今年こそ悲願のスーパー出場、そして優勝を!の呼び声高く、地元フィラデルフィア市民の期待は高まる一方でした。対するバッカニアーズは、闘将ジョン・グルーデンHC(ヘッドコーチ)率いる強力ディフェンスのチームです。しかし暖かいフロリダにあるバッカニアーズの選手にとって、試合の行われるフィラデルフィアの厳しい寒さは何より苦手。戦前の下馬評では「天候も味方につけたイーグルス有利」の声が圧倒的でした。
     試合はその予想通りイーグルスが先行しましたが、バッカニアーズもすぐさま反撃を開始。守備の要ウォーレン・サップを攻撃にも投入する必勝采配がズバリ的中し、一気に逆転成功しました。その後イーグルスもマクナブを中心に猛反撃を見せましたが、勝負どころで痛恨のインターセプトを喫し万事休す。27-10と熱戦を制したバッカニアーズが、球団創設以来初のスーパーボウル出場を決めました。


     次にAFCは、リーグ屈指の圧倒的な攻撃力を誇るレイダースが本拠地オークランドにタイタンズを迎え、真っ向勝負で圧倒しました。今年のリーグMVPに選ばれたQBリッチ・ギャノンの繰り出す絶妙のパスが、優勝経験豊富な大ベテランジェリー・ライス、そして初のスーパー出場に燃えるティム・ブラウンの両WRら豪華攻撃陣にビシビシと決まり、41-24で追いすがるタイタンズを退けて、カンファレンス優勝を決めました。


     レイダースvsバッカニアーズ。今年のスーパーボウルは、まさに「因縁の対決」ということになりました。それは何故か?バッカニアーズのHC(ヘッド・コーチ)を務めるジョン・グルーデンは、実は去年までレイダースのHCを務めていたのです。ファンやメディアの関心は、当然グルーデンに集中しました。レイダースが誇る破壊力満点のオフェンスを作り上げたグルーデンが、パワフルな守備を誇るバッカニアーズを率いて古巣に立ち向かう。こんなドラマは滅多に見られるものではありません。決戦の舞台となるサンディエゴ、クァルコム・スタジアムには、全米、いや世界中のフットボールファンから熱い注目が集まることとなりました。


     試合は開始早々、バッカニアーズQBブラッド・ジョンソンのパスをインターセプトしたレイダースがFG(フィールド・ゴール)を決め、3-0とまず先行しました。しかしバッカニアーズの「超攻撃的守備」がギャノンに強いプレッシャーをかけ続け、相手のミスを誘うことに成功。なんとインターセプト5本を奪い、そのうち3本がTDに結びつく一方的展開となってしまいました。


     何時もは冷静に確実なパスを繰り出すギャノンの精密コンピューターが、この日ばかりは何故か全く機能しませんでした。しかしそれには理由があったのです。攻撃ラインの要、センターのバーレット・ロビンスが試合直前になって突如姿をくらましてしまいチームを離脱、この日の試合出場が出来なかったことがレイダースの攻撃プランに影響を及ぼしたようです。もちろんロビンスの欠場だけに原因を求めるわけにはいきませんが、万全な体制で大舞台に臨めなかったレイダースの無念といったらなかったでしょう。無敵の常勝将軍ギャノンが、バッカニアーズ守備陣の襲来をまともに受け何度も何度も地面に這いつくばる屈辱の結果となってしまったのです。またそれに加えてグルーデンが、レイダースの攻撃を熟知し読みきっていたのもやはり大きかったと言えるでしょう。


     結局試合は48-21と予想外の大差でバッカニアーズの完勝。守備の一員で2本のインターセプトを奪ったデクスター・ジャクソンが、みごとMVPに選ばれました。また、39歳のグルーデンは史上最年少のスーパーボウル優勝監督に輝きました。チーム創設以来長年弱小球団の地位に甘んじていたチームが、遂に世界一の栄光をものにしたのです。本当におめでとう、タンパベイ・バッカニアーズ!


      さて、今回でアメリカン・フットボールに関する連載は終了です。今までご愛読くださいまして誠にありがとうございました。来月からは、また新たなシリーズが始まります。どうぞお楽しみに!


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