嵐と地震とエンジェルズ by 3:16

    第6回 E君と、レイクエルシノアへ(May 14, 2002)

    第7回 オリバー、メジャー昇格!(Jun 19, 2002)

    第8回 ドラフト順位は語る。語らないこともある。(Jun 24, 2002)

    第9回 ランカスター・ジェットホークス(Jul 22, 2002)

    第10回 後期リーグ突入!(Jul 30, 2002)



    (第6回) E君と、レイクエルシノアへ


     楽しみにしていたゲームがやってきました。Xavier Nady Day。
     今日は、いいチケットを持ってるから、駐車場もLOTAの特別席で、いい気分。E君はわざわざ日本から来てくれてるんですから、マイナーリーグ観てがっかりさせるわけにはいきませんからね。
     いつも聞いているAMラジオのDJも駆けつけて、ゲーム前にホームラン競争も行われます。ストームのスーパースター、ネイディのBobble Head人形のギブアウエイもあるし、今日はザ・ダイヤモンドにZooperstarsがやってくる!クライスラーのオープンカーを走らせ、レイク・エルシノアの街へやってくると、オールドダウンタウンの路上では、丁度クラシックカーのフェスティバルが行われていて、ますますお祭り気分。
     湖の水かさは、またちょっと減ってるなぁ。


     2日前ちょうどそのラジオ番組に、この日の宣伝をかねてストーム球団社長兼GM(ゼネラルマネージャー)のDave Oster氏が出演しました。
     実はストームは昨年、マイナーリーグ・チーム・オブ・ザ・イヤーを獲得していまして、チームおよび周辺コミュニティー全体の盛り上げ方が非常に上手な球団なんです。前々回ご紹介した、元メジャーリーガーの豪華コーチ陣もその一環でしょうか。Dave氏はストームで3年目ですが、まだ29歳です。


     レイクエルノシア・ストームのスタッフ紹介ページ


     おととしの9月30日、メジャーリーガーとして1打席、見事に初打席でヒットを放ち、打率1.000の実績を持つネイディを、昨年肘を痛めてスローイングに問題を抱えていたとはいえ、今年もまたシングルAのストームでプレイさせている要因はどうやらこのDave氏にあるよう。


     ザヴィアー・ネイディのプロファイル


     充分に肘の状態が問題なくなるまで、パドレス傘下でDHの使えるストームに、興業的にスーパースターとして置いてもらうよう、パドレス・オーガニゼーションにお願いしたんだそうです。自分のうちにネイディを一緒に住まわせるほどの熱の入れようです。


     一方、このゲームに招待されてやってきた、ズーパースターズ(Zooperstars)っていうのは、亡くなったシカゴの名物アナウンサー、ハリー・ケリーさんをもじった、ハリー・カナリーをはじめとして、ケン・ジラフィーJr、クラミー・ソーサなどがいる、着ぐるみ空気人形の、エンターテイメント・グループなんです。


     ズーパースターズの公式HP

     コミカルに踊ったり、クラミー・ソーサがダイヤモンド・ガールズの女の子を頭から飲み込んじゃったり、ジラフィーJrは長い首引っ込めたり振り回したり、爆笑もののパフォーマンスを、アメリカ全土いろんなところで披露していて大忙しの、まさにズーパースター!!
     空気が入った人形のコミカルな動き、未だかつて見たこと無いぐらい、変!もう、大笑い。
     放送席の窓から乗り出したハリー・カナリーの音頭で、7回の「Take me out〜」を歌ったときは、似てないのにそっくりなんで、なんだかジーンときちゃいました。イッチローチ・スズゥキには会えなかったなぁ。


     イッチローチ・スズゥキキャラクター紹介ページ


     ランカスター・ジェットホークスを迎えたゲームの方は、今季絶好調のMike Bumstead投手の先発で、なんとネイディのホームランがレフトへライトへ2発も飛び出し、ストーム楽々の圧勝でした。自分のプロモーション・デーに結果を出せるあたり、スターとしての星回りの予感が沸いてくるじゃありませんか!
     今年8月にはシーズンも終了し、9月半ばにはポストシーズン、その後はサンディエゴのクアルコム・スタジアムで、Xavier Nadyのメジャーリーガーとしての打席がきっとまた見られることでしょう!


     次回は・・・、


     10周年にして9年連続集客数リーグナンバー1を誇るクエイクスが、今季はじめてエピセンターに、今年集客数で肉薄してきたストームを迎え撃つシリーズの模様と、クエイクス注目プレイヤーをリポートする予定です。ちなみに前回お伝えした、州立Fullerton大タイタンズ金属バットの件は、コーチの方針がひとつと、プレイヤーの中にも最新型を好んでいないケースがあるんだそうです。
     Uさん、ありがとうございました。


    (May 14, 2002) 



     (第7回) オリバー、メジャー昇格!


     カリフォルニアリーグで集客力1、2位を争う、ランチョクカマンガ・クエイクスとレイクエルシノア・ストーム。この2チームはシングルAでありながら、1ゲーム平均で3,000人を超えます。近年、ストームが集客数を伸ばし、3,500人に達しようかという中、クエイクスも4,000人に迫る勢いです。ひとゲームあたり1,000人に満たないチームも数多ある中、素晴らしいことだと思います。前回ご紹介いたしましたような、経営陣の努力の賜物でしょう。
     今回は、私の好きなこの2チーム同士の対戦をリポートします。


     5月11日、ストーム@クエイクスの、ザ・エピセンター。
     一番の楽しみは、ストーム先発の、第2回でもご紹介しましたオリバー・ペレス投手。メキシコからドラフト外FA入団ながら、期待の左腕です。今季ここまで打線の援護に恵まれず勝敗こそ2勝2敗ですが、防御率は1点台、昨シーズンに続き好調です。
     対するクエイクスでは、カルロス・ダンカン3塁手と、ジェレッド・アブルッツォ捕手。


     クエイクスのザ・エピセンターには、マスコットのトレマー親子の他に、“ザ・トラッシュ・ファミリー”という、女性3人男性1人の、バーテンダーのような格好をしていて、回の合間にダンスを披露し、ゲーム中は大きな袋を持ってスタンドのごみを回収してまわるグループがいます。球場をきれいに保つひとつのいいアイディアですね。

     地元の高校生から募った、クエイクスのチアリーダーのチームもスタンドから声を揃えてチアリーディング式に声援を送ります。こちらもまるで、自分の高校を応援しているような気分。これ、いいなぁ。


     ゲームの方は、初回からザビアー・ネイディのホームランが飛び出し、序盤から加点したストームが10-2で圧勝しました。ネイディは、本当にいつも期待通りに打ってくれます。
     注目のオリバー・ペレス投手、昨年細くて針金の様だった体も少しがっしりしてきたためか、まるでボールの重さに振り回されてるみたいだったコントロールも、かなり良くなって、スピードも増していました。左バッターの胸元へズバッと来るストレートや、右バッターの膝元への高速スライダーなど、魅力的な球種を持っていますが、なかでも彼のウイニングショットのチェンジアップは、どのカウントからでも自信を持って投げ込んでいきますので、非常に効果的。
     この日も5回を失点ゼロ、奪三振9個、ヒット散発の3安打、フォアボール3つに抑えました。


     一方クエイクスのダンカン3塁手も、チームが牛耳られる中、今季の好調振りを見せてくれました。今季は3割をキープ、ホームラン王を争うほどの活躍ですが、どちらかと言うと、鋭いライナーを放つ中距離バッターで、彼もドラフト外FA入団です。面白かったのは、00年ドラフト2位入団クエイクス期待のアブルッツォ捕手のマスク。今季、ユニフォームを刷新したエンジェルズ、ベンジー・モリーナ捕手のいらなくなったお下がりを頂戴して被っていました。フルフェイスの特徴あるキャッチャーマスクです。
     そういえば、クエイクスのチームジャンパーは、今年から新しくなったアナハイム・エンジェルズの真っ赤なジャンパーをそのまま使うようになりました。なにしろ、かっこいいですからね。


    *このゲームの直後の19日、オリバー投手はダブルAモバイル・ビーバーズ(アラバマ)へ昇格し、ストームのスーパースター、ザビアー・ネイディもまた、5月29日、トリプルAポートランド・ビーバーズへ昇格しました。
     2人がメジャーにあがって、サンディエゴに戻ってきてくれるのを期待しましょう!


     次回は・・・、


     今回とは反対にストームがクエイクスをザ・ダイヤモンドに迎え撃つゲーム、しかもストーム期待の00年ドラフト1位、マーク・フィリップス投手の登板ゲームをリポートするとともに、カリフォルニアリーグ、D-バックス傘下の、ランカスター・ジェットホークスのザ・ハンガーの様子をお伝えできる予定です。


    ぼーる通信公式掲示板にお越しいただいているみなさんはもうご存知ですが、オリバー・ペレス投手はこのゲームの直後の19日にダブルAモバイル・ビーバーズ(アラバマ)へ昇格し、それからわずか1ヶ月にして6月16日、メジャーデビューを果たし、スターターとしてシアトルマリナーズと対戦いたしました。
     そして、記念すべき一人目のバッターとしてイチロー外野手と対戦し見事三振に切って取り、5回を投げ2失点7奪三振で堂々の勝利を飾ったのです。マリナーズ戦のこのゲームは、ぼーる通信読者のみなさん、特に日本にいらっしゃるみなさんは、TVで生中継をご覧になった方が多いんじゃなかろうかと思います。


     このグッドニュースを、みなさんと共有できた喜びに感激しております。


    (Jun 19, 2002) 



    (第8回) ドラフト順位は語る。語らないこともある。


     前回のストーム@クエイクス、ザ・エピセンターに続き、6月2日、今度はクエイクス@ストーム、ザ・ダイヤモンドのゲームです。


     この日は実に楽しみなピッチャーのマッチアップになりました。


     ビジターのクエイクスは今季奪三振王候補のリチャード・フィッシャー投手。
     彼は今季、シアトル傘下サンベルナルディーノ・スタンピードの00年ドラフト1位、クリント・ネジオッティ投手とカリフォルニアリーグの奪三振王レースをデッドヒート中。00年のドラフト21位ながら、 地元リバーサイドの出身で期待の右腕です。


     対するホームのストームは、00年ドラフト1位のマーク・フィリップス投手。マーク・フィリップス投手の登板ゲームを観るのは、昨年からの 念願でしたから、嬉しい限りです。
     こちらは荒削りな左腕で、目下フォアボール配球王でもあります。荒れ球と左腕からの快速球が持ち味 。


     ストームにおけるフィリップス投手の紹介パドレスの過去のドラフトNo.1ピック


     クエイクスで注目のカルロス・ダンカン3塁手はこの日、15個目の盗塁を決め、HR14本とあわせて、30-30への道まっしぐら。グリップを高く構えてオーソドックスに構えるバッティングに俊足で、この子がドラフト外で入ってきたなんて、ちょっとびっくりじゃないですか。目下の打点王ですが、この日も、ザ・ダイヤモンドのライトスタンドにそびえるグリーンの通称ミニモンスターを直撃する今季15本目の2塁打を放ちました。


     カルロス・ダンカン3塁手の、クエイクスのホームオープナー(4/7)での活躍を紹介する記事


     両投手ともなかなかいい立ち上がりを見せ、今日は期待通り見応えのある投手戦になりました。


     クエイクスのリチャード・フィッシャー投手は、とても球が走っていて、シングルヒットは時折打たれるものの、危なげない投球で、特にコーナーに決まるストレートには力がありました。落とす球もなかなかいい。今シーズンこれだけ三振を取れているのもうなずけます。結局、ネイディーの抜けたストーム打線を散発の7安打完封、11奪三振に抑えました。
     彼の登板を見たのは2度目で、どちらもとてもいいピッチングでしたが、ただ、上のレベルに上がった場合には、もうひとつ超えたところでの威力が必要なように感じました。


    上記の記事には、フィッシャー投手の活躍も載っています。


     一方、ストームのマーク・フィリップス投手は、本当に素晴らしい球を投げます。ものすごく破壊力のあるストレートが左腕からズバーンっと来ます。
    このピッチャーの問題点は、力みでしょう。
     投球練習で投げているボールは、本当に惚れ惚れするほどの切れと威力なんですが、いざバッターに向かうと、腕に力みが入り、振りが鈍ってしまうのです。特にランナーが出て、クイックで投げねばならず、しかも力の入る場面で、これが悪化してしまうんです。初回、2回のピンチは何とかしのぎましたが、本当にガラッと切れが落ちてしまう。
     心配していたところ、この日も5回まで0対0で来た6回、突然、というよりは自らの死球によってランナーを出し、球がまったく走らなくなってしまいました。あーこりゃまずい、と思っている間にじゃかすか打たれて、あれよあれよの5失点。回の合間の投球練習のボールはどれも素晴らしいだけに、マイクハーキー・ピッチングコーチ、うまく力の抜き方を教えてあげて欲しいです。
     なるほど、こういうピッチャーは、一皮向けるととんとん拍子にマイナーの階段を駆け上がって、メジャーで活躍できる可能性を秘めているんでしょうね。ドラフト順位の差、きっとこんなところなんでしょう。
     2人とも、どんどん力をつけて、2〜3年以内にはメジャーにあがって欲しいなぁ!


     次回は・・・、


     カリフォルニアリーグ、Dバックス傘下の、ランカスター・ジェットホークスのザ・ハンガーの様子をお伝えいたします。


    カルロス・ダンカン3塁手はその後、2Aアーカンソー・トラベラーズに昇格しました。そのため、リンクをはり直しましたが、写真をお見せできないのが残念です。ドミニカンで、色の黒いひときわ体格のいい好青年です。


    (Jun 24, 2002) 



    (第9回) ランカスター・ジェットホークス


     〜 3:16、ランカスターの巨人に出会う 〜


     カリフォルニアリーグは、6月15日で前期日程を終了、シングルAカロライナリーグとの交流オールスター戦で幕を閉じました。ノーザン・ディビジョンは、ストックトン・ポーツの優勝、サザン・ディビジョンは、1999年、2000年王者だった現マリナーズ傘下(当時ドジャーズ傘下)のサンベルナルディーノ・スタンピードが前期優勝を果たしました。


     後期リーグは、6月20日から既に始まり、各チームとも、主軸プレイヤーたちが適宜それぞれの期待を背負って上のリーグに昇格してチームから抜けてしまい、また逆に、6月のドラフト後にオーガニゼーションと契約して、ルーキーリーグから上がってきたプレイヤーが7月中ごろから活躍し始めています。


     そんな中、私としては初めて、ランカスター・ジェットホークスのホーム、ザ・ハンガーに、出かけて来ました。
     ロサンゼルスのダウンタウンから、18号線をひたすら北に上ること約1時間、ランカスターという小さな町の北のはずれの方に、ジェットホークスのザ・ハンガーはあります。

     さすがにここまで内陸に入ると、大陸性の気候ですから6月の末とはいえ、「暑い!」。まるでヘアードライヤーの熱風みたいな風が吹いてきます。海から離れていくと、100マイルくらいの距離でずいぶん違うものですね。


     チーム公式ページのトップロゴにある写真を見てください。とても立派な球場で、入り口正面には、大きなジェット機が飾られています。


     ランカスターは、エドワーズ空軍基地がある場所で、町のいたるところに、飛行機のオブジェや、壁画、いろんなものを見かけることができます。世界第1次大戦の前から、飛行機の町なんです。
     第2次大戦時にも、爆撃機からの投爆訓練を行ったりしていた場所で、大きな空軍基地です。


     エドワーズ空軍基地のHP


     爆撃機などの写真の数々


     この暑い中、今日はランディ・ジョンソンのプロモーションがある日でしたので、開場ちょっと前から、結構たくさんの人で賑わいました。
     ちょうど私の前に、それこそ2mぐらい、ランディ・ジョンソンほどもあろうかという、ジェットホークスのユニフォームを羽織った背の高ーい青年が立っていました。やせていて、ロングヘアーなので、プレイヤーではないとは判りましたが、アメリカでもちょっとびっくりな背の高さです。(この話は、次回に続きます。)


     さて、球場の中はこんな感じです。チームの公式ページから写真をどうぞ。


     真ん中に写っているのが、チームマスコットの「カブーン」です。
     彼は、WWF(現WWE)プロレスの大ファンらしく、どちらかというと、マッチョ系のパフォーマンス。ハルクホーガンはじめとするWWFスーパースターたちの人気定番ジェスチャーを繰り出します。


     トロントのホゼ・クルーズJr.、ミネソタのジョー・メイズ、シアトルのフィッツジェラルドやピネイロなどが、このチームの卒業生です。


     ゲームの方は、対マーベリクス戦。
     ジェットホークスは99年ドラフト48位入団のブライアン・マツェンバッカー投手の今期チーム初登板。対するマーベリクスは、98年32位入団のロベルト・メイソネット投手の先発でしたが、両者ともややピリッとしない内容、打線も主力が昇格して抜けてしまったためと、ドラフト新加入組みがまだ加わっていないため、アドバンスドシングルAとしては迫力に欠ける内容でした。


     しかし、こんなに小さな町で、年間平均で1ゲームあたり2,500人を集める営業努力、そして美しい球場には、感心せざるを得ませんでした。


     次回は・・・、


     レイクエルシノアでストームがハイデザート・マーベリクスを迎え撃つゲームと、ドラフト新戦力のリポート、それと、このゲームで私に起きた、奇妙な出来事をご紹介します。


    (Jul 22, 2002) 



    (第10回) 後期リーグ突入!


     レイクエルシノア・ストーム、昨年のペナント覇者にして、2001年マイナーチーム・オブ・ザ・イヤーですからね、後半戦は負けるわけにはいきません。後期は優勝して、スタンピードとのプレイオフに持ち込みたいところ。


     7月に入ってこの日、ストームは2ゲーム差の単独トップです。
     私は、いつもの席に座り、ななめ後ろの、すっかりお友達になっていたおじさん、サンディエゴから毎週土曜日に観に来ているチャーリーさん達と、ゲーム開始ずいぶん前からオリバー・ペレスのパドレスでの目覚しい活躍に花を咲かせて盛り上がりました。

     「もうメジャーで 3勝も上げたね!」
     「クアーズフィールドでの最多奪三振はビッグユニットの14だけど、オリバーはこの間6回2/3で13も三振奪ったんだ!」
     「あいつ、まだ英語喋んないらしいぞ。ま、サンディエゴだからOKだね!」

     云々。
     そりゃあもう、つい5月まで、ここザ・ダイヤモンドで投げてたんですから、みんな誇らしい気持ちで一杯です。


     ミニプランチケットは、こういうところがいいですね。シーズンシートのような楽しみが味わえます。


     インフォメーション・デスクに今日のロースター表を取りに行ったところ、不意に右側が暗くなったな、と思ったら、なんと真横に例のランカスターの巨人がいるではないですか!
     つい先週、アナハイム・エンジェルズのエジソン・フィールドでも彼を見かけていたので、挨拶しました。このジョーイは、実はランカスターではなくて、同じオレンジカウンティーのご近所さんでした。
     この1週間後にも、あの広大なドジャースタジアムの駐車場で、たまたま隣の隣に駐車した車からジョーイが出てきて、またもや鉢合わせ。お互い、大笑いしてすっかり友達になってしまいました。
     彼に、「世の中、せまいね。」とか言われると、妙に説得力あります。せまそうだなぁ!


     ザビアー・ネイディが抜け、タグ・ボズィートも抜け、おまけにジェイク・ゴートリューまで病気で欠き、すっかり打線が頼りなくなってちょっとがっかりしてゲームを観始めたところ、今度は私の目の前の席に、タイタンズ・アスレチックトレーナーだったUさんがお友達と来て座るじゃないですか!
     以前ご一緒して、すっかりストームを気に入ってくださったんだそう。それにしても、偶然前後に並んだ席を買うなんて、ねぇ!


     今のストームのクリーンナップは、5月の末にネイディと入れ替わるように加わった、ジョン・ノット1塁手です。外野手の登録ですが、ラフィエル・パルメイロやウイル・クラークを生んだ、ミシシッピ州立大でファーストを守っていましたから、タグの後のファーストに入りました。故障暦を嫌われてのドラフト外入団ですが、6フィート3インチとやや長身で、巧さとパワーを兼ね備えた、素晴らしいバッターです。この日も右打ちでライトのミニモンスター頂上を直撃する2塁打を含める3安打、シャープでパワフルなバッティングを見せてくれました。


     ジェフ・ノット1塁手の紹介ページ


     この日初めて見るプレイヤーが、背番号6だけで名前のついていないユニフォームを着て出場していました。
     高い位置にグリップを構えてまっすぐに構えた姿勢から、スタンスを狭くとってガッと踏み込んで打つ、ものすごくセンスを感じさせる鋭いスイングです。加えてパンチ力十分。なんでこんないいバッターが下位打線を打ってるんだろう?なんて話していたら、今年のドラフト1巡目、全米13番目指名の、5フィート10インチ、カリール・グリーン遊撃手でした。この日はDH出場。


     カリル・グリーン遊撃手のプロファイル。


     ラッキーにも、デビュー戦に居合わせることが出来たって訳です。
     ドラフト後に契約し、下部組織のショートシングルA、ユージーン・エメラルズをわずか10日で通過して、ストームにやって来ました。クレムゾン大で、スラッギング%、.888、ナショナル・プレイー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた実力は伊達ではありません。
     いきなり、ノットを2塁においてタイムリー2塁打。ホームランもかっ飛ばしました。デビュー戦3安打。
     チームも、逆転に次ぐ逆転で、最後は圧勝。
     スタンドに仲間も増えて来たし、これは、後期が楽しみになって来ました!


     次回は・・・、


     ランチョクカマンガ・クエイクスのチーム・フォト・セッション・デーの様子をお伝えできる予定です。 


    (Jul 30, 2002) 


     第11回〜15回はこちら

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