嵐と地震とエンジェルズ by 3:16

    第16回 野球シーズン到来(Feb 12, 2003)

    第17回 おかげさまで1周年(Mar 18, 2003)

    第18回 ケイシー・コッチマン(Apr 14, 2003)

    第19回 NCAAチャンピオン?!(May 06, 2003)

    第20回 NCAAチャンピオン?!vol.2(Jun 16, 2003)



     (第16回) 野球シーズン到来


     2月、ついに野球シーズンが到来しました。メジャーリーグ各チームでスプリングキャンプに突入します。今年は新監督の下で開幕戦を日本で向かえるシアトル・マリナーズが、例年より1週間も早く他チームに先駆けてキャンプインしましたね。


     みなさん、第5回をご記憶でしょうか?
     そうです、2月は、大学野球開幕の月なのです!


     2月最初の週末、州立フルートン大タイタンズは、ホームのグッドウィンフィールドに名門スタンフォード大カージナルを迎え撃ちました。昨年主力がごそっと抜けてしまい、苦戦したタイタンズはランキング13位に対して、スタンフォードはランキング3位の強豪です。


     私は、日曜日のゲームを、タイタンズのUさんとご一緒させていただいて観戦しました。金曜日、土曜日のゲームをタイタンズが快勝したとあって、日曜日のゲームも大変な賑わいでした。みんな興奮気味。
     第5回でご紹介した、シェーン・コスタは、PAC10の打撃11部門でトップ10入りし、いまや大学野球界のトップスターです。


     この日のゲームは、長身のダスティン・ミラー投手。1年生ですが、故障のリハビリのため、昨年はレッドシャツ(資格延長のため、留年させる時、こう呼ばれるそうです)の登録でした。故障明けで、皆が心配する中、6回を素晴らしいピッチングで単発のホームラン1点に抑えました。エンジェルズファンで、アースタッドのファン。
     Pepe'sの朝食ブリトーが好物だって、プレイヤー名鑑に書いてありますが、ここのメキシコ料理は本当に安くてめちゃウマです。


    タイタンズのHP

    Pepe's


     攻撃陣もタイタンズが2回裏に猛攻、コスタのタイムリーなどで大量6点をあげ、ゲームを決定付けました。
     この回にホームランを放ったのは、ダスティンと同じダイアモンド・バー高校の1年後輩でやはり1年生のダニー・ドーン外野手です。彼もエンジェルズファンで、ジム・エドモンズのファン。
     私としては嬉しい限りじゃないですか。


     この二人の頼もしい両1年生コンビの活躍もあって、タイタンズはこの日も圧勝。スタンフォード大3連戦をスィープしてしまいました。 スタンフォード大カージナルがスィープされたのは、なんと6年ぶりのことだそうです。


     この3連戦に詰め掛けた観客数延べ8,194人というのは、グッドウイン・フィールドの新記録だそうです。日曜日も、2,238人。
     いつもスタンドで会うトムさんに、「昨日来なくっちゃ!」って言われてしまいました。「昨日はね、元タイタンズ、ゴールデン・スパイク賞獲得者3人の背番号が欠番になって、セレモニーがあったんだよ。」


    そうなんです。現パドレスの、マーク・カッツエイ、フィル・ネイビンと、そして元エキスポズで活躍−ドジャーズ−エンジェルズでプレイした、ティム・ウォラックといった3人のプレイヤーがタイタンズで欠番になり、グッドウインフィールドには立派なレリーフが立てられました。


     フルートン大HPにおける、ティム・ウォラックの紹介ページ(ゴルフのティム・ウォラックカップのイベント告知ページ)。


     ティム・ウォラックといえば、エキスポズ時代、アンドレ・ドーソン、ヒュービー・ブルックス、マイク・フィッツジェラルドと4人で、同じイニングにレッズのマリオ・ソト投手から4本のホームランを打ったことがありましたね。
     ティムは、ランチョクカマンガ・クエイクスの監督もやっていました。
     カード持ってるから、今度チャンスがあったら、サインしてもらわなくちゃ!


     そういえば、トム店長、店の宣伝を球場の外野に出していました。長年のシーズンチケット・ホルダーですが、スポンサーは今年初めての試みだそうです。


     次回は・・・、


     今回お伝えできませんでした、エンジェルス・スプリングキャンプに参加しているクエイクス戦士の様子と、引き続き大学野球のトピックを、タイタンズを中心にお伝えする予定です。


    (Feb 12, 2003) 



     (第17回) おかげさまで1周年


     「嵐と地震とエンジェルズ」の連載が、本メールマガジン、ぼーる通信にて始まって以来、丁度1年がたちました。
     これまでお付き合いくださったみなさんには、編集長ともども、感謝の念でいっぱいです。いろいろと情報をくださったみなさんにも、あらためて感謝いたします。
     ぼーる通信掲示板に参加してくださった方々もありがとうございます。
     ぜひ今後とも、よろしくお願いいたします。


     このコーナーで取り上げてきたプレイヤーの何人かは、このわずか1年の期間とはいえ、既にメジャーデビューを果たし、今季は開幕をメジャーで迎えようとしています。
     なんと素晴らしく、喜ばしいことではありませんか。


     エンジェルズのK-Rodことフランシスコ・ロドリゲス投手は、みなさんもご存知のポストシーズンの活躍のあと、スプリングキャプも順調で、今季はエンジェルズのブルペンの重要な役割を担うようです。
     クエイクスで投げていた時は100マイルの荒れ球快速球を投げていましたが、いわゆるカッターにすることによって、球速は95-6マイルに抑え、上手にコントロールすることが出来るようになったみたいです。


     パドレスのオリバー・ペレス投手は、ストームで1年先輩のジェイク・ピーヴィー投手と一緒に、先発ローテの一角として当確、年間通じての活躍が期待されています。


     ザヴィアー・ネイディ1塁手も、今キャンプ、今日現在30打席で3割3分3厘、打点10と期待通りの大活躍。フィル・ネイビンがスプリングキャンプでダイビングキャッチを試みて、肩を脱臼して戦線離脱したことなどもあって、メジャーで開幕を迎えることになりそうです。


     アストロズのカーク・サーロース投手は、先発5番手の椅子を争っています。
     タイタンズ伝説のエース、踏ん張れ!


     これらイキのいい若手選手のみなさんについては、よろしかったら、こちらのコンテンツトップから、バックナンバーをご参照ください。

     さて今回は、3月15日(土)に行われる予定だった州立フルートン大タイタンズがなんと、アナハイム・エンジェルズの本拠地エジソンフィールドに、USCトロージャンズを迎えうって戦うゲームをリポートする予定だったのですが、久しぶりの大雨で中止になってしまいました。
     ロサンゼルス近郊はあまり沢山は雨が降らないので、こんな大雨があると、道路のあちこちが水で溢れかえり、信号機が止まっちゃったりして、大混乱します。土曜日でよかった。ドジャースタジアムは、1961年に開場して以来、ゲームが雨天中止になったのは、わずかに17回しかないそうですよ。


     タイタンズは、前回お伝えしましたスタンフォード大3連戦を見事スィープしてシーズンが始まり、ここまで20勝4敗と、快進撃を続けています。
     フレスノ大に乗り込んで、これまた3連戦スィープ、ついでラスベガスでUNLVに2勝1敗、ネバダ大をまたまた3連戦スィープ。Texas大、UCLA、Tulane大と短期総当り戦で行われたKIAベイスボール・バッシュ・シリーズにも優勝。
     慶應義塾大学とのエキジビションマッチにも、6−5で勝利を収めています。


     なお、エジソンフィールドでのトロージャンズ戦は、5月5日の月曜日のナイトゲームに延期されましたので、また、その頃にご報告しようと思います。


     ストーム戦士と、クエイクス戦士のスプリングキャンプでの奮闘振りをちょっとだけリポートしておきましょう。


     タグ・ボズィート3塁手は、13打数6安打、HRも1本放って、打率.308、打点6。
     カリール・グリーン遊撃手は4打数1安打。
     ジェイク・ゴートリュー2塁手は3打数ノーヒット。
     デニス・タンカーズリー投手は、ちょっと調子悪いです。
     リッチ・フィッシャー投手は、見事な投球を見せました。3ゲーム5イニングスを投げて自責点2、奪三振5です。
     ボビー・ジェンクス投手は、2イニングスでしたが、力を出せませんでした。


     目を引いたのは、ケイシー・コッチマン1塁手(若干20歳)でした。なんとクエイクスのそのまた下のシダーラピッズからスプリングキャンプにコールアップされていたんです。今季はクエイクスでスタートする予定の、期待の星です。6打数2安打。メジャーのキャンプで、堂々としたものじゃないですか!


     次回は・・・、


     エンジェルズ期待の星、ケイシー・コッチマン1塁手のご紹介を中心に、クエイクス開幕戦の様子をリポートしようと思います。


    (Mar 18, 2003) 



     (第18回) ケイシー・コッチマン


     いよいよ、野球シーズン開幕です。
     前回取り上げましたメジャーリーガーとして活躍中のストーム戦士、クエイクス戦士たちのメジャーでの奮闘振り、よろしければフォローアップしてみてくださいね。


     さて、今回はクエイクスのホームでのシーズンオープナーに行って来ましたので、この様子をリポートいたします。

     なんと言っても今回のお目当ては、エンジェルズ期待の星、ケイシー・コッチマンです。
     2001年ゲータレード全米ハイスクール・プレイヤー・オブ・ザ・イヤーを獲得した、”ネクスト・パルメイロ”の呼び声高い大型・巧打・パワー・巧手の1塁手。
     お父さんのトム・コッチマンは、現エンジェルズマイナーチームの監督で、以前はエンジェルズのスカウトをしていました。


     2001年ドラフトでは、全体で13番目の権利を持っていたエンジェルズ、実は半ば獲得をあきらめていました。13番目まで残っていないだろうと推定していたんです。ところが、上位チーム(つまりシーズン中の成績下位チーム)が、投手力の整備に重点を置いたため、ドラフトすることが出来ました。なんて運がいいんでしょう!
     83年2月22日生まれの若干20歳。


     Yahoo!Sportsにおけるコッチマンのプロファイル

     いい顔していますね。天性の運も感じます。


     もう一人、この年には、トロントブルージェイズからFAの見返りに、もうひとつのドラフト1巡ピック、全体の33番目の権利をもらっていました。
     そこでエンジェルズが選んだのが、ジェフ・マチス捕手です。こちらも83年3月31日生まれの若干20歳です。


     Yahoo!Sportsにおけるマチス捕手のプロファイル


     今年クエイクスは、開幕をロードで迎えました。
     今年から名前を一新したシアトル・マリナーズ傘下のインランドエンパイア・シックスティシクサーズ(旧サンベルナルディーノ・スタンピード)との対戦でした。


     インランド・シックスティシクサーズのHP


     旧スタンピードについては、バックナンバーから第11回をご参照ください。


     ホーム開幕戦は、4月11日金曜日、その66ersを迎えて行われました。
     この日、クエイクスは先発に、メジャースターターのアーロン・シーリー投手の故障リハビリ調整登板を持ってきました。ファンサービス半分かな。
     そして、兄貴分のエンジェルズがワールド・チャンピオンに輝いたこともあって、球場は本当に活気に溢れていました。職員の方たちも、1万ドルもするチャンピオンリングをもらったそうで、すごく誇らしげです。
     ゲームに先駆けて、この日、ある番号が永久欠番になりました。
     K-Rodの番号? −いえいえ、まだ早いです。
    実は26番が欠番とされたんです。


     昨年クエイクスは、カリフォルニアリーグのチーム観客動員数で新記録を更新しました。これに感謝の意を込めて、ファン全員の背番号として26番を欠番にしたんです。カンのいい方はもうお気付きかもしれませんが、これはエンジェルズが永久欠番にした前オーナー、ジーン・オートリーさんの番号ですね。
     この日のクエイクスは、いろいろな面で兄貴分エンジェルズのようでした。
     まずは、入場者全員に、クエイクス・サンダースティックを配りました。白地に青でクエイクス・ロゴのステックです。そして、星条旗よ永遠なれの最中、♪And the rockets red glare〜♪のところで、花火がドカーン!
     この日、エンジェルズグッズか、クエイクスグッズを身につけて来場したファンには、エンジェルズのワールドチャンピオン公式クラブキャップが配られました。知らないで、身に着けてなかった人はかわいそうでしたけれど。こういう配り方、珍しいんじゃないかな。


     さて、ケイシー、そしてジェフの活躍ぶりですが、これはすごかったです。
     金曜日はケイシーが5打数3安打ホームラン1本で打点3。ジェフは5打数1安打。
     土曜日はジェフが5打数2安打ホームラン1本で打点4。ケイシーは3打数2安打フォアボール1で打点2。
     ケイシーの打球が速すぎて、ファーストランナーに当たってアウトになる、なんていう場面もありました。非常にバットコントロールがいい印象です。
     ジェフの方も、キャッチャーにしてはものすごくシュアでシャープな感じのバッティングでした。


     故障中で、メジャーリーガーのオーラを失っていたアーロン・シーリーとは対照的に、この二人の若者からはなんともいえないオーラが垣間見えました。まだまだ二人とも、若干20歳ですから、これからが本当に楽しみです。
     ケイシー・コッチマンには、昨年クエイクスに上がってくる前に配られた本人のボブルヘッド人形を持って行ってサインしてもらいましたが、すごく感じのいい男の子でしたよ。
     そもそも、マイナーリーガーのボブルヘッドも、そうそう配られるものではありません。チームからの期待の大きさがうかがい知れますね。


     次回は・・・、


     巨人でも活躍した元ホームラン王のジェシー・バーフィールドの息子でストーム期待の星の2塁手、ジョシュ君のほか、有力プレイヤーの様子をリポートしようと思います。


    (Apr 14, 2003) 



     (第19回) NCAAチャンピオン?!


     さて、今回は予定を変更して、というより予定を戻しまして、第17回でお伝えする予定でした、USC(南カリフォルニア大学)トロージャンズを、なんとエンジェルズのエジソンフィールドに迎え撃つ、州立フルートン大タイタンズのゲームをお伝えします。
     といいますのも、好調なシーズン滑り出しをお伝えしていました我がタイタンズは、その後もいい戦いぶりを続け、4月末時点のベースボールアメリカのNCAAランキングで、全米第1位にランキングされていたからなんです。
     これは、95年にNCAAチャンピオンになって以来(ジェレミー・ジアンビ、マーク・カッツェイが所属したチームです。)、久しぶりにチャンピオンシップを取り戻せるかもしれない、これは一大事です!


     タイタンズについては、バックナンバーから、第5回をご参照ください。

     昨年は、エジソンフィールドを使用してのゲームは1度もありませんでしたから、きっと新しい試みかも知れません。
    プレイヤーも、わくわくしていることでしょう!今年のタイタンズには、エンジェルズファンのプレイヤーがたくさんいるんですよ。


     USCトロージャンズは、NCAAでも1番といっていいNCAAチャンピオン12回の実績を誇る強豪チームです。最近では98年にチャンピオンに。タイタンズもチャンピオン3回を誇る全米有数の名門チームですが、USCの実績は本当に素晴らしい。
     例えば昨年のサイ・ヤング投手はア・リーグ(バリー・ジト)、ナ・リーグ(ランディ・ジョンソン)ともにトロージャンでした。


     USCトロージャンズHP


     トロージャンズはPAC10カンファレンス、タイタンズはBig Westカンファレンスに所属しています。今年は3月に対戦して1勝1敗。
     タイタンズは先週末、UCリバーサイドにまさかまさかの今季初の連敗、それも3連敗を喫し、チャンピオンシップに向けて、このゲームにはどうしても負けるわけには行かない状況に置かれました。


     今年のタイタンズは、第5回で既にご紹介しました昨年の主力プレイヤーたち、Derric Merrell投手、Shane Costa右翼手、抑えのエースChad Cordero投手 、Kurt Suzuki捕手らの他、小兵のチームリーダーJason Corapci2塁手、Justin Smyres遊撃手、Richie Burgos一塁手なども健在で、より経験豊かなチームになっています。
     さらに、第17回で大活躍をお伝えした1年生2人の他にも、カブスから5位指名を受けたShawn Scobee外野手や、ツインズから20位指名を受けたRyan Schreppel左腕投手、レンジャーズに22位指名を受けたBobby Andrews外野手などもフレッシュマンとして加わり、層の厚みを増しています。
     昨年、お伝えしませんでしたが、エキスポズから7位指名を受けたWes Littleton投手も細身の体からしなやかに繰り出すスリークォーターの右腕も、昨年に引き続き今年も好調です。
     一方のトロージャンズにも、観るのがとても楽しみなプレイヤーがいました。1年生のJeff Clement捕手/DHは、高校の全米ホームラン記録を塗り替える75本を打ったスラッガーで、今年トロージャンズでも、現時点で2位を倍以上引き離すダントツのHR18本を放っているんです。すごい。
     そして先発したのは、Jordan Olson投手。お父さんがトロージャンズでプレーしていた時に、おじいさんがトロージャンズの副部長をしていたという、親子3代にわたる生粋のトロージャンの、4年生左腕です。今季は3勝0敗と好調で、前回3月のタイタンズとの対戦では、セーブもあげています。高めの速球には力がありました。


     タイタンズの先発は1年生のRyan Schreppel投手、両リームとも背番号26番左腕投手の先発でゲームは始まりました。
     初回に1点を取り合い、締まった内容の投手戦。
     ところでこのゲーム、両チームとも木のバットを使用していました。なにかレギュレーションでも変えたんでしょうか?
     調べておきますね。


     そして、タイタンズは、とてもいい内容で3回を投げたSchreppel投手に換え、4回から3年生エースのDerric Merrell投手を投入してきました。負けられない気迫が伝わってきます。Merrell投手は序盤故障で出遅れていましたが、木のバットが相手ですから、低めにきまるストレートが実に有効です。出会い頭に打たれたレフト前ヒット1本以外、4回をほぼ完璧な内容でした。
     初回にSchreppel投手からタイムリーダブルを放ったスラッガーのJeff Clementも力負けのレフトフライでしたよ。


     ところでスタンドには、いつもの大学のグッドウインフィールドでは見ないような応援の女の子たちが詰め掛けていました。メジャーのエジソンフィールドで、あのUSCとの対戦だから、でしょうか?
    へそ出しルックが流行中のサザンカリフォルニア、・・・うーん、私だったら、大学生って勉強に集中するの難しそうですね!


     エースのMerrell投手が好投している間の5回に、タイタンズのオフェンスが一挙5点を挙げ、ゲームを決めました。しかも、ヒットは内安打1本。デッドボールのランナーを出し、1,2塁間へのゴロを上手い走塁でエラー気味の内野安打にして、チャンスを広げたんです。
     圧巻は、Kurt Suzuki捕手の打席でした。2点を挙げてさらにランナー2,3塁で、粘った末にフォアボール。高めに大きくはずれたボールでしたが、Kurtは矢のようなスピードで1塁へ向かいました。キャッチャーがミットからこぼした時、サードランナーはホームに滑り込んでいました。しかもKurtはそのまま2塁へ!
     慌てたキャッチャーからの送球はセーフになり、結果的に2塁ランナーもホームへ帰ってきました。フォアボールで2得点。
     今年のタイタンズの野球がよく現れていたシーンだったと思います。


     最終回は、6点差で抑えのエースChad Cordero投手を投入する念の入れようで、タイタンズは大事なゲームで勝利を収めました。
     残り6ゲーム。UCアーバインとロングビーチステートとホームでの3連戦ふたつです。
     チャンピオンに返り咲くことは出来るのか?!


     次回は・・・、


     ジェシー・バーフィールドの息子でストーム期待の星の2塁手、ジョシュ君ほかのリポートと、タイタンズの結果をご報告しようと思います。


    (May 06, 2003) 



     (第20回) NCAAチャンピオン?!vol.2


     毎回予定を変更して申し訳ないのですが、一大事ですので、引き続き州立フルートン大タイタンズの話題をお伝えします。


     タイタンズには、ふたつビッグニュースがあります。
     抑えのエース、”チーフ”ことチャド・コルデロ投手が、モントリオールエキスポズに、1巡目でドラフトされました!
     エキスポズGMのオマール・ミナヤさんも、カレッジ・ワールド・シリーズをスタンドに見に来ていましたよ。
     頑張ってね!チーフ!


     もうひとつは、NCAAカレッジ・ワールド・シリーズ進出のニュースです。
     タイタンズは前回配信の段階では、UCアーバインとロングビーチステートとホームでの3連戦ふたつが残っていました。
     UCアーバインに対しては、初戦を落としたものの、後の2戦に勝ち、2勝1敗。いよいよ優勝争いのかかったロングビーチとの1つも負けられない最後の3連戦、2勝1敗だったのですが、第2戦目に敗れてしまった時点で、ビッグ・ウエストのタイトルはロングビーチ大にさらわれてしまいました。
     それでも、ビッグウエスト以外を含めた全体の勝敗では上回っていますので、NCAAチャンピオンシップに向けて、ナインは意欲満々です。


     タイタンズは、前回ご紹介しました(ツインズから20位指名を受けた)Ryan Schreppel左腕投手、(エキスポズから7位指名を受けた)Wes Littleton投手のリレーで必勝を期したのですがオフェンスが封じ込められました。ロングビーチの投手がものすごく出来が良かったんです。


     ヤンキースのローテーションの一角、ジェフ・ウィーバー投手に背格好もそっくりなら、ややサイド気味に繰り出す投球フォームまでそっくりなピッチャー、実は弟のJered Weaver投手だったんです。私は、ジェフ・ウィーバーが投げてるんじゃないか?と、目を疑ったくらいです。
     わずか4安打、センターのKyle Boyerのホームラン1点に抑え込まれました。


     ロングビーチ大49ers(別名ダートバッグスDirtbags)のHP
    (残念ながら、NCAAでは、名門スタンフォード大にRegionalで敗れてしまいました。)


     しかしその後のタイタンズ、NCAA Regionalトーナメントでは、サンディエゴ、ノートルダムを次々に破り連勝を重ね、さらにNCAA Super Regionalでは、アリゾナ州立大を2勝1敗で破り、ついに今年オマハで開かれるNCAAカレッジ・ワールド・シリーズTに駒を進める8チームに入りました!
     進出を決めた日曜日のゲームは、ESPNで全国放送されましたが、昨日土曜日にも応援に行った近所の球場だと思っていたグッドウインフィールドがTVに映る様子はなんともくすぐったいような、誇らしいような気持ちでした。観客席にも、見た顔の人ばっかり。

     ところで、このメールマガジンが配信される頃は、NCAAカレッジ・ワールド・シリーズTの真っ最中です。


     カレッジ・ワールドシリーズの公式ページ

     既にカレッジ・ワールド・シリーズTでは、現時点でLSUに8−2、宿敵スタンフォードに6−5、と勝利しています。あともう少し!!


     そうそう、前回、エンジェルズのエジソンフィールドで行われたUSC対タイタンズのゲームで、両チームとも木のバットを使用していた件、タイタンズのUさんにまたもや教えていただきました。
     せっかくプロのスタジアムでやるんだから、気分出して、木のバットで打ったらどうだろう?ってことで寄贈されたものだそうです。
     練習なんかにも使って、プレイヤーたち、楽しんでいるそうですよ。


     タイタンズ、本当にチャンピオンに返り咲くことは出来るのか?!


    追記:
     第18回でお伝えしました、ケイシー・コッチマン、あれ以降、2度目のDL入りしてしまいました。ひかがみ(hamstring)の故障です。素質が高いだけに、ゆっくりしっかり体づくりしてもらいたいものです。


     クエイクスには、もしかするとケイシーよりも早くメジャーデビューできそうな逸材が増えてきました。
     まずは、ドミニカ出身のアーヴィン・サンタナ投手。鋼のような細身のアスリート体型で、速球は98マイルを計時します。
     そして、ケイシーのときの2巡指名、ダラス・マクファーソン3塁手もクエイクスに上がってきました。大型で筋肉質の、とても体格のいいがっしりしたプレイヤーで、パワー抜群です。エンジェルズにはトロイ・グラウスがいますので、1塁や、外野へのコンバートもあるかもしれません。


    (Jun 16, 2003) 


     第21回〜25回はこちら

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