嵐と地震とエンジェルズ by 3:16
第41回 おかげさまで3周年(Mar 14th, 2005)
第42回 Golden Baseball League(Apr 12th, 2005)
第43回 ストーファー&マジック、メジャーデビュー!(May 19th, 2005)
第44回 キューバの雄、ケンドリー・モラレス(Jun 15th, 2005)
第45回 サムライ・ベアーズ(Jul 15th, 2005)
(第41回) おかげさまで3周年
いよいよ春、野球シーズンの到来ですね。
2月初めからは大学野球のシーズンが始まり、2月中旬からはメジャーリーグもスプリング・キャンプに突入、3月に入って毎日オープン戦が行われ、だんだん気分が高まってきました。
昨シーズンは見事全米チャンピオンに返り咲いた州立Fullerton大タイタンズ、お陰で主力をごっそりドラフトで引き抜かれてしまいましたが、しかし今シーズンもなかなか好調です。
2人の3年生左腕投手をエースに、今年も非常に期待できるチームになりました。
1年生の頃からエース級の活躍で第19回にも登場していたライアン・シュレッペル投手と、リッキー・ロメロ投手の2人です。
ロメロ投手は、シーズン皮切りのOBチーム(今年は6人もメジャーリーガーを揃えて来てくれました)とのエキジビション・ゲームにも先発し、リード・ジョンソン、マーク・カッツェイ、アーロン・ロワンドを含む4者連続三振で立ち上がり、そのまま4回を2安打零封、シュレッペル投手の方は、終わりの3回を4奪三振零封、完全に先輩を牛耳ってしまいました。4−1で現役チームの圧勝。
OBチームにはこの他、フィル・ネビン、新ナショナルズ・クローザーのチャド・コルデロ、マイク・ラム、以前ご紹介しましたシェーン・コスタ、カート・スズキなども駆けつけてくれていました。
打線では、2年生のピル・ブレット1塁手と、3年生のセルジオ・ペドロザ外野手の3、4番が非常に良く打っています。6−7番を打つ3年生のロニー・プリティマン3塁手も長打力を発揮して、打率も.443と絶好調です。
シーズンに入っても、対スタンフォードはじめ、いまのところ全てのシリーズで勝ち越し、Kia Baseball Bashシリーズも3連勝で優勝、完璧とは言えませんがなかなか好調です。連覇も夢ではありません!
ストーム、クエイクス戦士もこのスプリングキャンプ、非常にいい活躍をしているプレイヤー達が居ます。
2003年ドラフト1位のティム・ストーファー投手は昨年、シングルAからトリプルAまでとんとん拍子に3段階ジャンプ、このスプリングでも、2ゲームに登板し4イニング無失点です。今年こそレギュラー定着が待望されるザヴィアー・ネイディーも、.333でチームトップのHR2本と今のところ期待にこたえる活躍です。
ジョシュ・バーフィールド2塁手は、昨年故障でだいぶ出遅れましたが、ようやく復帰して、笑顔を見せてくれています。
一方クエイクス組みでは、ケイシー・コッチマン1塁手が、.333、チームトップの9打点と活躍、本来はメジャー25人枠にポジションが空いていないため、ソーシア監督に嬉しい悩みを与えています。
アルベルト・カラスポ2塁手は.429と目下絶好調、マクファーソン、コッチマンについでプロスペクトのチーム3番手に挙げられているエリック・アイバー遊撃手も、.313と好調です。
そして投手陣では、何度も登場しているマジック・サンタナ投手が昨シーズンの故障から回復、3ゲーム6イニングズで1失点、6奪三振と、素晴らしい投球ぶりです。
ローテーションが5人きっちり埋まってしまっているエンジェルズ投手陣ではありますが、今秋のメジャーへのスピード昇格も見えてきました。
そしてこのスプリングでとても楽しみなのが、スティーブン・シェル投手。昨年クエイクス2年目にSFF(スプリット・フィンガード・ファストボール)をマスターして、奪三振が急増、見違えるほどいいピッチングをするようになったピッチャーです。サンタナ投手ほどスピードはありませんが、体格も大きくて上背もあり、重そうな球質で、コントロールが良いのが特徴です。このスプリングでは、やや打ち込まれていますが、まだまだシングルAクラスのピッチャーですから、メジャーキャンプに参加していること自体が、大きな財産になることでしょう。
ほんとうにワクワクする季節がまたやって来ましたね!
第39回、40回と、2回に渡ってお伝えしましたエンジェルズの名称変更の問題は、Anaheim市があくまでも法廷で争う意向で、今度の裁判予定は11月になります。
仮差し止めは認められませんでしたので、チームは今シーズンを新しい名称で営業することになります。
一方、モレノ・オーナーは、ヤンキーズやレッドソックス、ブレーブズ、カブズのように「チーム独自で放送局を持つ」というビジネスも視野に入れているようです。
(Mar 14th, 2005)
(第42回) Golden Baseball League
フロリダ、アリゾナでのスプリングキャンプ、オープン戦のグレープフルーツ・リーグ、カクタス・リーグが終わると、メジャーリーグの開幕直前、エンジェルスタジアムとドジャースタジアムで最後のオープン戦が行われるのが恒例になっています。A'sと端を挟んだSFジャイアンツの対戦も行われていますね。
そんな中、パドレスは3月30日にトニー・グイン率いる地元州立サンディエゴ大アズテックスとPETCOパークで、それに4月2日には、弟分のシングルA、レイクエルシノア・ストームとのザ・ダイヤモンドでの対戦を組みました。
これは非常に興味深い取り組みでして、パドレスにとっては勝って当たり前、負けたら大恥をかくことになりかねない、いわゆる「no-win situation」でしたが、両方とも大勝して貫禄を見せました。
この新しい試み、私は大いに評価したいと思います。
地元大学生や、ストームの面々にとっては、本当に貴重な、かけがえの無い素晴らしい経験になるだろうと思うからです。
さて、今回ご紹介したいのは、今年を元年にシーズンをスタートすることになります、Golden Baseball League (GBL)という、カリフォルニア州とアリゾナ州を中心に立ち上がった独立系のリーグです。南オレゴン州、北ニューメキシコ州にもチームをexpansionしていきたい意向のようです。
●GBLの公式ページ。
大手スーパーマケットチェーンのSafeway, Inc.がスポンサーとしてバックアップ、埋もれているプレイヤーに活躍の場を与え、技術を磨いてメジャーリーグへの登竜門のひとつとなろう、という壮大な夢を持って立ち上がりました。
昨年の7月、Orange County Register紙の小さな記事が私の目にとまりました。
州立Fullerton大タイタンズのホームグランド、Goodwin Fieldに、マイナーチームが出来る”かも知れない”と言う記事です。この時は最低6チームが加入して、6月から8月に36ゲームが行われる予定と言うことでした。
この時は何のことやら良く分かりませんでしたが、タイタンズのシーズンは5月で終わってしまいますので、ちょっと楽しみにしていたんです。
ところが、今年の4/7になってこのニュースをみてびっくり。
・・・サムライ・ベアーズ?!
現在はカリフォルニア州各地に4チーム、アリゾナ州各地に3チームがあり、それに加えて、ホームを持たず全てのゲームをアウエイで戦う流浪の野武士集団、サムライ・ベアーズが加わって全8チームのリーグ構成になっているようです。
スケジュールをみると、ゲーム数も増えてシーズンも5月中から始まるようですね。
なるほど、そういうことだったのか!
●サムライ・ベアーズの公式HP
プレイヤーはみんな日本人なのだそうです。
監督さんはじめコーチ陣も日本人で、という案があったそうですが、あのトーキョー・ジャイアンツで活躍したウォーレン・クロマティが監督に就任したそうですね。
●そしてFullerton Flyersの公式HP
Flyersのロゴの「F」は、タイタンズの色使いと似ています。機関車は、地元を走る昔のサーフライナーのイメージかな。
フライヤーズの監督は、パドレスの遊撃手として活躍していたゲーリー・テンプルトン。懐かしいですねぇ。
この人は、エンジェルズのルーキーリーグのチームでも監督をしていたのを知っていましたが、独立系のノーザンリーグのRail Catsというチームでも監督を務めていたようです。んー、名監督の気配。
●ゲーリー・テンプルトンがエンジェルズのルーキーリーグで監督をやっていた時代の写真。
●Rail Catsの公式HP。
アズテックスと同じトニー・グイン・スタジアムを本拠地にするSan Diego Surf Dawgsも応援したくなっちゃいますね。
●San Diego Surf Dawgsの公式HP。
日本でも、今年から四国に独立リーグが立ち上がったり、アフリカ野球友の会も立ち上がっていますし、確実に裾野が拡がって行っている感じがしますね。
嬉しい限りです。
6月21日−23日にサムライ・ベアーズがGoodwin Fieldにやってくるゲーム、これはもう、さっそく観に行かなくては!
と、今からワクワクしています。
キューバを亡命し、ドミニカ共和国に移住しresidencyを確保、今オフにエンジェルズと契約した若きスラッガー、ケンドリー・モラレスの入国はビザの関係で約2ヶ月、遅れに遅れていたのですが、ようやく来週ぐらいには米国に入れる見込みになりました。まずはクエイクスに合流してゲームに出場する予定だそうですので、ランチョクカマンガのザ・エピセンターで見られそうです。楽しみです。
(Apr 12th, 2005)
(第43回) ストーファー&マジック、メジャーデビュー!
かの有名なマスコットの”フェイマス・チキン”がパドレスのPETCOパーク初お目見えをした5月14日、レイクエルシノアでの、66ers対ストームのゲームを観に行って来ました。
今日の一番のお目当ては、フェルナンド・バレンズエラJr.。
そうです、あの'81年ドジャーズ優勝の立役者にしてルーキー・オブ・ザ・イヤー、&サイ・ヤング賞投手に輝き、”フェルナンドマニア”旋風を吹き起こしたメキシコ出身の大投手の息子です。
ジュニアは翌年'82年の生まれで、LA出身ですね。
●お父さん
●ジュニア
高校時代は、ピッチャーと打者の両輪の活躍をしていて、本人もどちらで行くかでずいぶん悩んだのですが、最終的に”打つ”ということが自分にとってとてもナチュラルに感じられたので、1塁手になったそうです。
現在、ストームのファーストは4番を打つマイケル・ジョンソン(カリル・グリーンのドラフト(2002年)の時の2位指名)が勤めておりまして、今年は長打力も発揮して絶好調ですので、ジュニアは、DHでの出場が多くなっています。
体つきはお父さんにそっくりで、ややずんぐりむっくりした感じです。
太っているせいか、脇があいた印象を受ける動きをしますが、実際はそうでもないのでしょう。スイングはなるほどスムーズで振りが鋭い。
パワーヒッターというよりは、広角に打ち分ける器用な中距離ヒッターといった感じがしました。張本勲と、どかべん香川の間ぐらいな感じ。(余計に分かりにくいですか?)
昨年までの通算成績。選球眼が良さそうですね。
PETCOパークでのフェイマスチキン初登場は見逃してしまいましたが、ストームのザ・ダイヤモンドにもこんなマスコットが特別招待されていました。
バードザーク。
●写真ギャラリーはこちらから。
とてもコミカルで、子供の多いマイナーリーグの球場の観客をぐいっとひきつけます。さすが。
アンパイア(に扮してこっそり仕込まれた人)とのやり取りと踊りなんて、もう観客も乗せられちゃって楽しいパフォーマンスで、これは人気出るだろうなー、って実感しました。
以前第6回でご紹介しました、「Zooperstars」とも提携してキャラクターを増やしたんですね。独立マスコット業は好調な様子です。
さて、表題にもしましたが、今月はとてもうれしいニュースがあります。
元ストーム戦士のティム・ストーファー投手がパドレスに、元クエイクス戦士のアーヴィン・サンタナ投手がエンジェルズに、それぞれスターターとして昇格したのです。
9月のロースター枠拡大時期ではなくて、この5月の昇格というのは、故障に伴う補充という事情があるとはいえ、本当にすばらしいスピード出世です。
第32回、41回で少し取り上げました、2003年ドラフト1位(全米4番目)のティム・ストーファー投手の方は一足早い5月11日に昇格し、いきなり6回を2失点でメジャー初先発・初勝利を収めました。
●ストーファー投手初勝利の記事。
続く5月16日にも、7回を3失点のクオリティースタートで、チームの勝利に貢献しました。
●5/16の登板の記事。
あまりに昇格が早くて、私もストームでは生の登板を観損なってしまいましたが、早くもローテーションの一角を、しっかりと担ってチームの連勝驀進に溶け込んでいるようです。
一方もう一人、第21回「マジック・サンタナ!」の回でご紹介しましたサンタナ投手は、ドミニカ出身でドラフト外の入団ですが、5月17日、ケルビム・エスコバー投手のDL入りに伴い、なんと、3Aを飛び越して2Aから2階級特進で昇格してきました。まだ若干22歳。
デビュー戦は残念ながら、いきなりノーアウトのまま3塁打、2塁打、1塁打、本塁打とサイクルヒットを打たれるという、いわゆるrockyなスタートとなってしまいましたが、力みが取れてからの投球振りには光るものが散見され、ソーシア監督も自信を深めたようです。もちろん、2Aの投球だけでなく、スプリングキャンプでもメジャーの打者を相手になかなかいいピッチングを見せていましたので、ソーシア監督はすでに分かっていたとも言えますが。
●サンタナ投手メジャー初登板の記事。
この次の登板は地元エンジェルスタジアムになりますから、心強いことでしょう。
私も力いっぱい応援に行くつもりです。
二人のこれまでの成績。
●ティム・ストーファー
●アーヴィン・”マジック”・サンタナ
ふたりとも素質を買われているだけあって、メジャーデビューの最初からスターターとしての仕事を与えられているところは、特筆すべきことだと思います。
それから前回おつたえしましたサムライ・ベアーズの居る、Golden Baseball LeagueのSD Surf Dawgsに、なんとあの盗塁王、リッキー・ヘンダーソンが入団しました。
これはますます楽しみになってきました!
(May 19th, 2005)
(第44回) キューバの雄、ケンドリー・モラレス
スターウォーズ・エピソードVの公開された5月末の週末、とてもうれしいことに、日本から、牛親方のMLB部屋の掲示板でも楽しく交流させていただいているrollins11さんが訪ねて来てくれました。
インターリーグのエンジェルズ@ドジャースタジアムをご一緒して観戦する予定だったんです。2年前にご一緒して、ゲーム前にゲレーロにサインをもらったのがついこの間のことのよう。
座席は、今シーズンからグラウンドに増設された黒いシートの席でした。
どうやったら、こんな良い席を確保できるんでしょうか(ブローカーの人たちは)?
もうホントに死ぬかと思ったほど、暑かった!
DL明け復活したばかりのガンエーの(珍しいGameoverでは'ない')登板を見届け、ゲーム終了後の余韻に浸るまもなく、我々は一路ランチョクカマンガへ!
・・・というのも、前日金曜日にラジオからの情報で、シーズンオフにエンジェルズが契約したものの就労ビザ取得の関係で来米が遅れに遅れていた、キューバから亡命したケンドリー・モラレスがいよいよ到着、その日のうちにクエイクスのゲームに出場する予定、っていうニュースをキャッチしていたからなんです。うひょー!
第39回、42回で少し触れましたが、モラレスは若干19歳のときにキューバのナショナルチームで4番を打った逸材です。スイッチヒッター。
そのモラレスの米国デビュー戦が、幸運にも土曜日、しかもクエイクスで観られるって言うんですから、もう是が非でも間に合わなくては!!
この日はファースト、3番打者として出場。
最初の打席は、初回2アウトランナーなしで廻って来ました。
2球目のファーストストライクを鋭く振りぬいた打球は、いままでザ・エピセンター(震源地)で見たことも無いような弾道で、右中間にあるスクリーンの上を越えて飛んで行きました。
闇に消えていく美しい弾道を私達は、いつまでも鮮明に覚えていることでしょう。
後ろの席に居合わせたおじさんおばさんと情報交換、まるで旧友であるかのように喜び合い、興奮して観戦しました。誰なのか、わからなくて観ていた人も多かったんですよね。クエイクスはいつも土曜日たくさんの観客が入っていますから。
夜風が気持ちいいスタンドでした。
ゲームの記事。
その後も2点先行するタイムリーを放ち、この日は左打席のみの披露で、5打数3安打、打点3、得点1、HR1本、ヒットを右に左に打ち分ける器用なところも見せた文句なしの初登場でした。
(モラレスはその後クエイクスで21ゲームをプレイし、86打数31安打(打率.360)、HR5本、17打点、18得点、の堂々たる成績で昨日6月14日に2Aアーカンソーに昇格しました。順調に行けば、8月中にメジャーに昇格しても全然おかしくありません。40人枠にも既に入っていますのでね。楽しみです。)
そしてもうひとつ、月曜日の夜に、「嵐と地震とエンジェルズ」にとっては、非常に重要なゲームを観戦しました。
前回、マジック・サンタナのメジャー初登板のほろにがデビューをお伝えしましたが、この日はメジャー第2ゲーム目の登板で、相手は現在メジャー最強のホワイトソックス戦。
でも、今度はホーム、エンジェルスタジアムでのゲームです。
初回から祈るような気持ちで応援。
もう、自分が投げてるわけじゃないのに心臓がワクワクして、力がこもります。そうなんです、心臓バクバクって感じではなく、どこか好投するという確信めいたものがありました。
7回になっても0点で抑えている。・・・球数も気になる!
8回を0封で投げ終えた時点で、スタンドからは大きな拍手とスタンディングオベーションで迎えられましたが、ベンチに帰ったマジックは、なにやらソーシア監督とひそひそ。
rollins11さんも、自分のことのように息を呑んで観ていてくれています。
8回裏に追加点をもらえたこともあってか、とうとう完投目指してもういちどマウンドに上がってきました。
結局、9回をヒット5本フォアボール1つ、7奪三振の、みごとな完封ゲームです。
●ゲームの記事。
なんとも、かわいい、いい笑顔です。
ソーシア監督や、ブラック投手コーチ、キャッチャーのB-Moをはじめとして、チーム全員、ニコニコでした。
投手陣の先輩ウアッシュバーンからは、「俺がたったの149ゲーム目に達成したメジャー初完封、こいつは2ゲーム目でやってのけたんだぜ!」とのお祝いの言葉。
(完封にもかかわらず、エスコバー投手の故障が癒えたことに伴って、この後すぐに飛ばして来た3Aへ送られましたが、エスコバー投手の再故障によって再昇格、昨日先発し、6回1/3を4安打1失点、7奪三振の好投を見せました。この子は予想通りの大物です。)
rollins11さん、喜びを分かち合ってくださって、ありがとう!
ぼーる通信冥利につきますね!
それから、今季絶好調のタイタンズは、トロントにドラフトで1位指名されたリッキー・ロメロ投手を中心にランキング1位でシーズンを終え、ワールドチャンピオンだった昨年のチームよりも強く、安定した戦いぶりで大いに期待されたのですが、惜しくもスーパーリージョナルでアリゾナ州立大に破れてしまいました。
今年ドラフトされたプレイヤーたちの活躍も、今後フォローしていきたいと思います。
(Jun 15th, 2005)
(第45回) サムライ・ベアーズ
第42回で、Golden Baseball League(GBL)の発足についてお知らせしましたが、その後、続々と嬉しいニュースが続いております。
今回は、このGBLのゲームを観戦してきました。
まずは、その後のニュースをいくつかご紹介しますね。
衝撃的だったのは、あのリッキー・ヘンダーソンの加入です。
トニー・グイン・スタジアムを本拠地にするSan Diego Surf Dawgsと契約しました。
●2005.05.09付の、サンディエゴ・ユニオン・トリビューンの記事。
メジャー25年のベテラン、リッキーは、とにかくベースボールのゲームへの愛情で、現役を続行する意欲満々のようです。
3ヶ月間がシーズンのGBLプレイヤーのサラリーの上限は、$3,000/月なのだとか。明らかにお金は問題になっていないんですね。
その活躍ぶりや、46歳になったリッキーの意気込み、若いプレイヤーたちに与える多大なる良い影響などを紹介したサンフランシスコ・クロニクルの記事。
この記事(7/3)の時点で、リッキーは28ゲーム、打率.302、出塁率なんと.512、10盗塁(失敗はひとつだけ)を記録していました。
さすがという他在りません。
そして、フラートン・フライヤーズには、マリナーズでもプレイしていた地元Fullerton出身の、ポール・アボット投手が加入しました。
●ポール・アボット投手加入の記事。
現在GBLには、メジャー経験のあるプレイヤーが各チーム合計で7人も所属しています。
クロマティ率いるサムライ・ベアーズは現在最下位の成績で苦しんでいますが、なるほど苦戦する訳ですね。
もうひとつ、6/20にすばらしいニュースがありました。
サプライズ・ファイティングファルコンズのDavid Seccombe投手が、GBLでの好投を買われて、NYヤンキーズと契約したのです。
●David Seccombe投手のヤンキーズとの契約を伝える記事。
第42回で、「大手スーパーマケットチェーンのSafeway, Inc.がスポンサーなって、メジャーリーグへの登竜門のひとつとなろう、という壮大な夢を持って立ち上がった」とご紹介しましたが、早くも1つの小さなステップが実現したわけですね。
元々、レッドソックスに29巡目で指名されて傘下のチームで投げていたこともある、まだ23歳の投手ですから、それほど大げさに喜ぶことではないかもしれませんが、解雇された後、自分のピッチングをアピールする場所が無くなっていたのですから、やはりGBLの果たした役割は小さくありません。
この先の道のりも、険しい訳ですが、Seccombe投手、がんばれ!
(GBLからメジャー傘下のマイナー入りしたプレイヤー、実はリーグ発足後、シーズン開幕前も含めて、既に11人名にも上るそうです。そのことを伝える記事。)
今回私が観にいったのは、ジェイソン・ジアンビの母校で、ダートバッグスの愛称で親しまれている、ロングビーチ大49ersの本拠地、ブレアー・フィールドでの、ロングビーチ・アルマダ対サムライ・ベアーズのゲームです。
●ダートバッグ・ベースボールの公式HP。
昨年(2004年)のエンジェルズのドラフト1位、第20回でもご紹介した、ジャレッド・ウィーバー投手はここのエースでした。
タイタンズのグッドウインフィールドよりもずっとこぢんまりしたアットホームな感じのスタジアムです。
平日のゲームでしたので、ゲーム開始には遅れてしまいました。
とても久しぶりに見るウォーレン・クロマティ。変わらずフレンドリーですねー、クロウさんは。イニングの合間にちょっとだけ、子供に手を振ってもらいました。
このチームには、知っている人は知っている、あのネレイ・ユージが居ます。
3Aオタワやセントポールなどでプレイしていた99年2000年ころは、日本人初の野手としてのメジャーリーガーに!って言うところまで登って活躍していた、あのユージです。
嬉しいことに、1塁側サムライ・ベアーズのダグアウト上の一角には、ベアーズの大応援がいらっしゃいました。
ラッパの応援あり、メガホン代わりのペットボトルをたたいての応援あり、広島カープ発祥(?)の交互に立ち上がる応援ありで、浴衣姿の女性も5−6人混じっていらっしゃって、さながら神宮球場に居るかのようです。うちの坊主も甚平さんを着ていったんですけどね。
7回には、ロケット風船もあります。日本式の野球観戦をアメリカに紹介する、という意図もあるそうです。
周りのアメリカ人も、なんだろう?この応援は?って言う感じで振り向いたり写真を撮ったりする人も居ましたよ。
伺ってみると、「侍熊会(じゆうかい)」という、サムライ・ベアーズのファンクラブを運営なさっているということでした。
みなさん、明るい!
なんでもFullerton在住のご夫妻が発足なさったのだそうです。
すべてのゲームがアウエイでの戦い、ホームなしで頑張っているサムライたちには、あの熱い応援は、本当に励みになることでしょう。
URLをご紹介しますね。
応援できるチャンスのある方は、是非ご参加下さい。
お問い合わせは、samuraifan55@yahoo.co.jpのアンドウさんまで。
もうひとつ。
UNCでスポーツ経営学を専攻なさった後、この5/13からフラートン・フライヤーズでインターンをなさっている、Toruさんという方のブログ「Riceball or Hotdog」にも、GBLのFlyersの様子や、侍ベアーズの様子が詳しく紹介されていますので、こちらもご紹介させていただきますね(トップページはこちらになります)。
Yoshiさんと、Toruさんのお二方にお会いしましたが、フライヤーズだけで日本人スタッフが3人いらっしゃるそうです。
サムライ・ベアーズのオペレーションの手伝いも含めて、とても忙しく尽力なさっていますので、観戦のチャンスがある方は是非お声をかけてみて下さい。
一人でも多く、メジャーへの階段を上っていく「サムライ」が現れることを期待しています。
(Jul 15th, 2005)
第46回〜50回はこちら。